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挑む加工現場   2013年8月25日号


蓄積データで不具合を予測
「金型保全、地域連携で競争力強化を」
明星金属工業[大型プレス金型設計・製作]
大阪府大東市 

 工場内には大型の工作機械やプレス機、数トン級の金型がズラリと並び、ところどころ、仕上げ作業を行う人の姿が見える。あるスタッフは、鉄板が型通りにうまく流入出来るようミクロン単位の研磨仕上げを行っているところだった。
 明星金属工業(従業員数93名)の主力は、自動車のボンネットやドアなど大型のプレス金型。上田幸司社長によると、「材料が反発し、事前のCAE解析通りに成型できるのは8割ほど。鉄板の素材は同じ規格でも微妙に配合が異なり、その配合は鉄鋼メーカーのノウハウの為に非公開だ。不具合を予測して改修工程を減らす技法は経験で知るしかない」。
 解析と実加工の差はデータ化して社内で共有しつつ、型仕様や形状、量産工場の設備や人材面の課題など新データを加えて発展し続けている。データを蓄積すればするほど各量産ライン別の不具合を予測しやすく、「回を追うごとにQCDを高められるため、指定部品化も進んでいる」(上田社長)という。
■量産ライン立ち上げの要
 明星金属工業は、早くから世界各国・各自動車メーカーの生産拠点に金型と金型技術者を派遣してきた実力派として名高い。担当するのは量産プレス機での金型のチューニング、成形条件の合わせ込みなどで、新規ライン立ち上げの要(かなめ)となる存在だ。
 設計・生産は精度にこだわって国内の体制を堅持するが、金型部門の売上高約13億円のうち6割以上はすでに海外向け。技術移転を完了した韓国の元合弁企業、タイの合弁企業と協力し、複雑な金型は明星で受けつつ受注量を確保できるパッケージ受注も可能にしている。
 2005年から金型保全(メンテ)専門の技術者の海外派遣もスタート。「型の不具合を診断して調整する中で、各ラインの生産設備に合わせた型構造を提案できるノウハウが育ち、かつ各国の金型レベルやニーズを詳しく知れるメリットもある」(上田社長)。
■金型保全に地域連携を
 この金型保全技術、自動車生産150万台体制を目指して成長する九州では、部品サプライヤー向けに普及促進中だ。2010年に大分県の事業としてスタートした「プレス金型保全技術者育成講習」では、明星金属工業から講師を派遣してプレスオペレーターに保全技術を指導し、多能工化を推進している。今春からは大阪府と連携、大阪府内に本社を持つ企業も参加可能になり、現在は全18社が同講習に参加する。
 上田社長は「東アジアの玄関口である九州は、グローバルな相見積が取られやすい。部品が国内に発注されなければ金型の発注もない。部品サプライヤーの競争力強化は、国内金型生産者の命運を左右しかねない課題だ」と強調する。
 「九州には自動車向けプレス金型の生産者がほとんどおらず、金型メンテのために輸送費がかかりすぎる。金型保全技術者やメンテ向け設備など固定費部分を抑制して競争力を高めるには、多能工化と各社の連携が必須」(同)。将来的には24時間体制で金型トラブルを解決できる「金型レスキュー隊」をサプライヤー各社が共同で設ければどうか…と話す。
 金型保全の連携体制は完成車メーカーにも提案中。「海外では九州と同じくメンテ技術者の少なさが課題になる。九州で構築中の部品サプライヤーの金型保全連携、完成車のプレス金型保全連携体制は、必要最小限の投資で海外に進出でき競争力を強化できるパッケージモデルになるのでは」(同)。金型エキスパートの視点から、日本の自動車産業が勝ち抜く構想を語る。





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