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オヤジの社会学  2013年10月10日号掲載

食うか食われるか

 先日、柿をとっていて地蜂(クロスズメバチ)の巣を踏んづけてしまい、腕を刺された。幸い大したことはなかったが、そのことを話すと巣を取り出してハチの子を食べたらどうかという人がいた。
 ハチの子は かつて一度だけ食べたことがある。キャンプをしていたら、隣に張っていた人が白いハチの子をくれ、軽くフライパンで炒って食べるとうまいですよと教えてくれた。口にとろけるような甘みがあって、たしかに美味、珍味だったのを覚えている。
 ハチの巣をとってハチの子を食べる食文化は日本全国にある。とくに長野、岐阜、山梨、愛知などの山間部では古くから貴重なタンパク源として食されてきた歴史を持ち、いまでもその名残りでクロスズメバチの巣の大きさを競うコンテストが開かれるという。巣をとるときにハチを眠らせる「蜂取り煙幕」なるものも商品として売られている。巣は、大きいもので8キログラムもあり、コンテストが終わるとキロ1万円で売られていくと聞けば、掘ってみようかと多少は心が揺らぐのであった。ハチの子は炒るほかにも佃煮や炊き込み御飯などいろいろとバリエーションがある。人間は何でも食べるものだ。
 そんなことを考えていたら、山形でハチに刺され男性死亡というニュースを耳にした。山に入った78歳の男性が行方不明になり、山奥で遺体となって発見された。発見時、付近にはオオスズメバチの大群が飛んでおり、男性の体には数十か所も刺された跡があったという。刺されたことによるショック死と見られる。
 男性が山に入ったのはアケビをとるためだった。いま、淡紫色に実を染めて、ちょうど実が割れるか割れないかぐらいの時期である。種を包んだ白い胎座の甘い味は知られるところだが、苦みを持った果皮が珍味らしい。 中に味噌味を付けたひき肉を詰めて焼いたり、果皮をそのまま炒めたり揚げたりする。
 これは筆者、まだ食べたことがないけれど、珍味を味わうということは、多かれ少なかれ命懸けの行為なのだと痛感する。というか、食べることというのは、基本、食うか食われるかの世界なのだと改めて思うのだ。


中原亭(なかはら・てい)…金融、工業系と紙誌の編集を経て田舎暮らしにチャレンジ。現在、地方紙コラム執筆・地域雑誌編集のかたわら、田んぼを耕作。5人の子持ちオヤジ。





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