コラム

2017年3月25日号

 嘘か真か―。まるで寄せ集めたように、虚実はっきりしない出来事がいま社会に溢れかえっている▼森友学園・籠池理事長がインタビューや証人喚問で語った内容と、それに対する政治家らの反論がそうだし、その前の南スーダンでの自衛隊「日報隠し」問題も事実がみえなかった。米国ではトランプ大統領が特定マスコミを名指しし「フェイク、捏造者」呼ばわりし、反論が渦巻いたが、事実はいったいどこに▼まだまだもっと。これらに共通して残念なのは、問題の根が熟慮すべき対象じゃなく、単に「嘘を突き通す」という、何らかの大義名分はあるにせよ、結局は下卑た意思がどこかに潜んでいて、それが社会を巻き込んでいることだ▼虚実ないまぜといえば、1部上場企業が運営するインターネットのキュレーション(まとめ)サイトが、適切でない情報を流し続けたかどで閉鎖に追い込まれた事も記憶に新しい▼ネットを気ままに閲覧すると、なるほど妄想じみたデタラメ情報がひっきりなしに飛び込んでくる。芸能人○○さん死亡、等の嘘もある▼「みんな半信半疑か、フェイクだと分かって楽しんでいるんだよ」若い人はそう言うが、多少分別くさいオヤジ(小生)としては、嘘の情報が溢れっぱなしの社会は不健全に衰退してしまうんじゃないかと気になる▼過密した情報社会のなかで、通りいっぺんの情報を流しても見向きされないことはわかる。が、節度と良心は失えない▼フェイク溢れる社会が、冒頭に上げたような出来事を増やしているとは言わないが、よくない方向に向かっている。