連載

2017年3月25日号

加工と入出庫の情報同期、マザックと村田機械が協業

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 ヤマザキマザック(山崎智久社長)と村田機械(村田大介社長)が「IoT時代の物流と自動化」分野で協業に合意した。
 倉庫機能を備えたパレタイジング自動化システムを共同開発し、ERPやMES(製造実行システム)といった上位基幹システムとの連携、モバイル端末の活用などを提案する。
 4月1日に発売予定の「MAZATEC SMS(Smart Manufacturing System)」は、ヤマザキマザックのマシニングセンタや複合加工機などの加工ラインに併設して使用する。工作機械内に設置する治具パレットだけでなく、フォークリフトで搬送する汎用パレットも保管できるようにした。400ミリ角~1000ミリ角までパレットのサイズに応じて設計する。
 素材の入庫から供給、切削加工、完成品の保管・出庫まで一貫した自動化を可能にした。工場内の物流を効率化するのが狙い。設備ごとに管理していた情報を同期させることで、「多品種少量生産でも量産加工並みの生産効率を追及する」(岡田聡技術本部長)という。
 ヤマザキマザックは1984年から治具パレット交換による工作機械の自動化対応を推進していたが、市場のニーズが「スペース効率と大容量化、倉庫機能の付加と段取り性向上、上位システムとの連携強化など、多様化している」(岡田氏)ことを踏まえて新システムを共同開発した。
 スペース効率は同社従来品比で67%向上。エリアセンサーで作業・安全性を確保した。オプションとして、同期出庫で段取りしやすくする「シンクロ段取りステーション」、夜間稼動を想定した長時間の連続無人運転が可能なロボットローディング仕様などを取り揃えた。

■基幹システムと連携
 新システムの特長として挙げたのは、情報の一元管理を可能にした点だ。
 村田機械の自動倉庫システムとヤマザキマザックの加工管理システムを同期運用させるというもので、村田社長は「個々の機器で全体の効率を上げるためには組み合わせが大事だ。今回のシステムは、倉庫と工作機械の情報をダイレクトにやり取りできる。一つの情報を入れればアウトプットまでもっていけるように、(両社の)インターフェースを統合した」と話す。
 特注対応で、ERPやMESなどの上位基幹システムとの連携も可能に。生産計画をベースに、加工工程を含めた入出庫管理を行う。モバイル端末で管理状況の確認やスタッカクレーンの遠隔保守もできる。
 630ミリ角パレット仕様の販売価格は、6段×30棚で6500万円(段取りステーション1基)に設定した。国内外で20セットの納入を目指す。
 想定されるユーザーについて、山崎社長は「航空機、一般産業、建設機械、石油・ガスなど、すべてが対象になる。変種変量、少量生産のティア1、ティア2、ジョブショップなどもそう。とくに当社の強みである米国や欧州、村田機械様の自動倉庫で多数の納入実績がある中国やアジアで拡販が見込める」と話す。
 工場のスマートファクトリー化に向けて、ヤマザキマザックは昨年11月、情報の一元管理やサイバーセキュリティ対策など目的にシスコシステムズと協業したばかり。「工作機械単体で解決できないことも、システム化すれば解決できる。具体的な固有名詞があるわけではないが、シスコのようなITメーカーとの協業は増えていくだろう」とコメントした。