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金型企業の生き残る道、日本主導で基準作りを

日本工業大学技術経営研究科 横田 悦二郎 教授

「安かろう、悪かろうの時代は終わった。金型調達の現場では嫌気がさしている」、「海外では作れない金型の仕事が日本に戻ってきている」と話すのは、日本工業大学技術経営研究科の横田悦二郎教授。海外から受注が増えている理由について、「元々、日本の金型は世界一安いから」と分析する。 今年に入って5カ月間で金型を取り巻く様相が変化し、業界全体が本格的な回復傾向に一転。大手ユーザーである自動車・電気関連のセットメーカーは、世界標準化と部品共通化に向け着々と歩みを進めている状況だ。 この調達システムの激変に対応する方法として、今まで通用したやり方ではなく、「新しい経営に変化させる」ことが重要と提案する。策定に携わった新金型産業ビジョンから、基本となるキーワード▽営業力(提案力)▽海外展開▽金型技術を活かした周辺分野への事業展開−を挙げた。 営業力とは、相手先が求める価値を認識して何ができるか提案すること。金型企業にとって「品質の良さ=営業力」は間違いと指摘した。
 毎月のように東南アジアへ足を運び、ときには企業連携の仲人役もつとめる横田教授。海外展開についても事例を交えながら、「製造工場を進出させるだけが海外展開ではない」、「営業拠点は机1つあれば十分」、「経営者自身が自らの『目』で見て、歩かなければ可能性を見出せない」と持論を展開する。 海外企業との連携を「未知の人と結婚するようなもの」として、互いの価値観(基準・標準)の一致を図る必要があるとした。この基準とは、品質管理、測定、使用材料、加工機械などのことだ。 「海外と同じ土俵に立たなければ勝負にならない。日本主導で業界共通の基準を作り、広めていく必要がある。とくに見積もりに関する基準を作らなければ、『利益なき繁忙』になってしまう」と話し、企業だけでなく、関連団体、国との連携も重要との見解を示した。 (6月25日、(一社)日本金型工業会西部支部勉強会から)