コラム

2014年8月10日号

 朝のテレビニュース、リモコンでチャンネルを次々変えながら、時にタメ息が出る。こっちもあっちもまるでバラエティ仕立て。聡明そうだが薄っぺらい笑顔のキャスターに抵抗を覚えるのは、筆者が年を食ってしまったせいか? それにしてもいつのまにか朝のニュースは、似たり寄ったりの軽いスタイルになった▼ベルトコンベアの上を流れる色とりどりのニュースから一つを選び、ひと通り説明しコメントを述べてハイ、次へいきましょう。筆者はいよいよ回転寿司型ニュース番組だな、などと勝手に感じてしまう。お行儀のよい、こざっぱりした優等生といったスタイルから逸脱しない報道は、ここぞという時のパンチ力に欠けるばかりか、額に汗して論じることも、真摯に社会へ訴えることも忘れてしまったご都合主義に閉ざされていると映る▼ウクライナ東部での航空機撃墜事件、ガザ地区の問題、番組はどれだけ責を果たしたか。伝えたい何かがもっとあったではないか。まさか明日もタレントの事件なんかと一緒くたに扱うだけなのか。いや、制作者にも危機感を抱く人間は大勢いて、何とか変えようと舞台裏でもがいているのであろうが…▼人間はどんな環境にも慣れてしまうものだという箴言が確かあった。適応し、また適応し、疑問さえ持たなくなって慣れてしまい、危機に瀕しても現実感をどうも持てない。そんな呆けた時代が迫っているようでいささか気になる。自戒を込めて時代を見つめ直したい。