連載

2017年10月10日号

FIELD systemが始動

4アプリ発売、来春AI搭載も

 ファナック(稲葉善治会長兼CEO)はCEATEC2017会期初日の10月3日、会場となった幕張メッセの会議棟で、オンプレミスを基本とした製造業向けオープンプラットフォーム「FIELD system(フィールドシステム)」の国内向けサービスを10月2日から運用開始したと発表した。
 今回提供を始めたのは4つのファナック製アプリと、機器とシステムをつなぐコンバータ2機種(ファナック製機器とOPC︱UAに対応)。いずれも「FIELD systemアプリケーションストア」からネット経由で購入できる。同時にサポートコールセンタも開設し、ユーザーからの問い合わせや不具合の受付窓口を一本化した。
 来年3月には、ディープラーニングを適用した3~4機種のアプリ追加発売や、ファナック製ハードウェア「フィールドベースプロ」(機器30台接続可能)にディープラーニング対応GPUの追加搭載を予定。CISCO社製ハード(150台接続可能)は当初から対応GPUを搭載している。また、アメリカ、ヨーロッパ等のリージョン毎の体制整備を行い、同4月から海外展開も順次進めていくという。
 「世界初のオープンなプラットフォームの土台がようやく完成した。ユーザーがアプリを選んでダウンロードして自社工場に最適のシステムを自由に構築できる、全く新しい発想のものだ」。稲葉会長は報道陣を前に、素直に喜びを表した。
 ファナック製以外の工作機械やロボットも、コンバータを開発すれば接続できるのが特徴の一つ。最新機種以外も接続でき、接続レベルに応じて機器から吸い上げた情報を活用できる。かつディープラーニングの機能を載せ、ネットワークにつながった機器同士が学習成果を共有する「分散強化学習」により、「機器単体の知能化に留まらず、工場全体がどんどん賢くなっていく可能性が現実のものになった」(稲葉会長)。
 当初は今年4月に発売予定だったが、稲葉会長は「全ての機器をつなぐ完全なオープンプラットフォームの構築は、想定以上に困難だった」と振り返る。「まだ絵に描いた餅ではあるものの、来年には100件以上、5年後には2000~3000件のユーザー登録数を目指したい。だが、実現はそう簡単ではないだろう。自動車業界では特に強い関心を示して頂いているものの、『何でもできる』を目指すだけに間口は広く、ユーザーの要望に応えてアプリ開発を次々に進めなければならない。(工場を最適化する)1つのパッケージとして完成するまでには数年かかると見ている」(同)。
 システムインテグレーションやアプリ開発を手がけるパートナー企業395社のうち、「139社はアプリ開発パートナーに登録済みで、47社がアプリ制作を検討中」(ファナック)。地域や業種に応じてどんなシステムが開発されるか、今後に期待がかかる。
 CEATEC会場ブースではアプリやハードウェアの実機も披露した。機器の稼動実績を可視化・分析できるアプリ「iPMA on FIELD」の場合、30台接続した場合で年間使用料(税抜)は90万円。
 また、機器の状態監視と定期保守時期を通知する予防保全アプリ「iZDT on FIELD」は1台あたり税抜年間3万円で、現時点ではファナック製ロボット対応のみ。今後、ファナック製の工作機械やCNCへの対応、AI搭載を予定する。そのほか、操作権限や履歴を管理する「個人認証・履歴管理」アプリ、加工時間を高精度に予測するアプリも披露した。

 

(写真=会場ではアプリやハードを披露)