PICK UP 今号の企画

「2017国際ロボット展」開幕直前特集

16433
―今号(11月25日号)の紙面特集は「2017年国際ロボット展開幕直前特集」と「作業工具特集」。このうち、ここでは「2017年国際ロボット展開幕直前特集」を掲載―。
 「ロボット革命がはじまった―そして人に優しい社会へ」を総テーマに掲げ、「2017国際ロボット展」が、過去最大規模だった前回展をふた回りほど上回る一層ビッグな展示会になって11月29日から4日間、東京有明の東京ビッグサイトで開催する(午前10時~午後5時)。
 出展者数は前回展の446社・団体から612社・団体へ実に4割近く増加。特に産業用ロボットは展示小間数で1328から2012と5割を超えて増える。製造業関係者が来場し、見どころや新鮮な発見が会場で盛りだくさんにあること請け合いだ。

世界最大規模に

 主催は(一社)日本ロボット工業会と日刊工業新聞社。2年に一度開催の「国際ロボット展」は、縮小を余儀なくされる産業展が散見されるなか、近年、回を追って規模を拡大してきた。今回はさらにビッグな催しとなる。
 出展数は過去最高を記録した前展から1.4倍ほど増加の612社・団体。主催サイドは「期待以上の増加」、「世界最大のロボットトレードショーといえる」などとコメント。開幕直前のいま、関係者の意気込みはピークに達している。
 本紙の事前の調べでは、産業用ロボットの世界4大メーカー―ABB、KUKA、ファナック、安川電機―をはじめ関連する有力企業が、このロボット展に照準をあわせて開発を進め、結果、新型ロボットやロボット統合制御システム、ロボットを中核にした次世代自動生産システム、ロボットとIoTの融合など、さまざまな成果発表と新提案を行う見通しだ(8面に関連記事)。「近年の技術開発と研究成果の集大成的な展示になる。詳細は幕が開くまで言えない」などのコメントもある。また複数の大手ロボットメーカーが人工知能(AI)を手掛けるベンチャー企業らと提携を進めており、ロボット+AI、ロボットメーカー+ベンチャーのコラボにより、いままでに無い未来型自動化システムの展示も充実しそうだ。主催の日本ロボット工業会は10月中旬、「(メーカー単独の展示にとどまらず)パートナー企業やシステムエンジニアとの合同展示も数多く予定されており、活発な交流と商談が期待できる」とコメントしている。

充実する「産業用」の展示

 少し具体的に見てみよう。
 同展は、東京ビッグサイトの東1~東6を会場(12月2日の土曜のみ東8にロボット体験コーナー)とする。このうち小間数で前回の1328から2012小間へ5割を超えて広がる「産業用ロボットゾーン」が東1、2、3、4のほぼすべてと、東5の3分の2程を占める(右下のレイアウト図参照)。ザッと計算して全展示スペースの7~8割方が「産業用ロボットゾーン」となる格好だ。
 小間割図は一般に公開されていないが(11月22日現在。専用HPに今後掲載予定という)、この産業用ロボットゾーンは、各ホールの奥の壁際にロボットメーカー大手の巨大ブースが並ぶ構成となる。
 即ち、東1の奥にデンソーウェーブと、出展者で最大スペースを確保したファナック。東2から東3の壁際にかけ不二越、ダイヘン、ABB。東4には三菱電機と、スペース第2位の安川電機。東4と東5にまたがって川崎重工。これらの巨大ブースは必見といえるだろう。
 ほか大型ブースとして、シュンク・ジャパン(東1)、THK(東1)、東芝機械(東1)、アイエイアイ(東2)、ヤマハ発動機(東2)、エプソン販売/セイコーエプソン(東3)、イグス(東3)、KUKA(東4)、キャプテンインダストリーズ(東4)、MUJIN(東4)、オムロン(東5)などがある。
 会場レイアウトを細かく見ると、東1の「ロボットシミュレーション&ビジョンシステムコーナー」も目を引く。
 出展社はジェービーエム、シーメンスPLMソフトウェア、ゼネテック、大新電機など。仮想現実でのシミュレーション動作をそのままロボットに落とし込むといったアプローチで「ロボット使用のための前段取りの煩わしさ(ティーチング、動作検証等)」を解決するソフトが市場に急浸透しており要注目だ。ロボット利活用のキーワードになる「Easy to use」を前進させるシステムに出会えそう。
 公的展示も少なくない。産業用ロボット絡みでは東4にORiN協議会、東5にロボット大賞紹介ブースや、経済産業省「ロボット導入実証事業」の紹介ブースなどがある。
 産業用ロボットは話題の協働ロボットをはじめ、搬送用、プレス用、溶接用、ピッキング用、測定検査、食品向けなどで豊富な機種が並ぶ。重要構成部品(要素)のモーター、アクチュエーター、センサーをはじめAI技術も多数展示される見通し。

多様なサービスロボット

 一方、東6を舞台とするサービスロボットゾーンには、46の大学・機関が研究開発中のロボットを紹介し実用化に向けて交流をはかる「RT産業プラザ」と、ロボットの開発・産業振興を重点プロジェクトに据える「神奈川県」の巨大ブースが存在感を放つ。
 サービスロボットゾーンではこのほか、トヨタ、三菱重工、パナソニックなどの大手企業から、中小企業、ベンチャー、各地の自治体らがさまざまなサービスロボットを展示。10月に行われた記者説明会では、都立産業技術研究センターが「中小企業と共創したサービスロボット」を紹介した。展示する自律移動型ロボット「リブラ」について、「各種センサーにより地図を生成し、自律移動する。人の存在を感知し先導案内ができる、4言語(日英中韓)で音声説明・案内し、通訳係としても使用できる。中小が参入できるロボット事業という点でもアピールしたい」などと話していた。
 展示されるサービスロボットは「介護・福祉・医療用」、「農林・水産用」、「インフラ点検・災害対応用」をはじめ人材育成や教育向け、コミュニケーションロボットなどからなる。要素技術やAI関連、各種ソフトの展示も多い。ドローンなども出てくる。

併催事業多数

 数ある併催事業では、毎回好評の「iREXロボットフォーラム」(29日15時~)が今回も目玉か。主要ロボットメーカー6社(川崎重工、ファナック、不二越、安川電機、ABB、KUKA)の幹部がユーザー(トヨタ自と、ニトリグループのホームロジスティクス)とともにロボットの利活用についてパネルディスカッションを行う。定員1000人。
 「NEDOロボット・AIフォーラム2017」(29日ほぼ終日=次頁に関連記事)では、第一線の研究者らがロボットやAIの研究開発状況やビジネスの最新動向を紹介する。
 「ユニバーサル未来社会推進フォーラム」(1日10時30分~)は2020年以降の先端ロボット技術を考える場に。
 ほかにも連日フォーラムを予定し、セミナーとして、ディープラーニングとロボットや、ロボットエンジニアリングの重要性に着目した講演会など多数。出展者ワークショップも連日数多く行われる。