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諏訪圏工業メッセ、超精密技術で新分野開拓へ

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 超精密・微細加工のメッカとして知られる長野県諏訪地域。諏訪湖周辺6市町村の経済団体や行政機関では2002年から「諏訪圏工業メッセ」を開催し、産業振興を地域ぐるみで進めている。今年の同メッセは10月19日から3日間、諏訪湖イベントホールで開催。出展は422社・団体と昨年より10社増え、来場者数も2万7742人と昨年(2万7722人)を若干上回った。事務局では「出展企業の技術PR冊子やHP掲載なども好評で、昨年1年間はメッセを通じた新規受注実績が4.9億円に上った」と推計する。
 今年の会場は分野別のゾーンに分け、諏訪地域の技術レベルの高さと多様さを分かりやすくみせた。自動車の燃料噴出ノズル部品で世界シェア35%を握る小松精機工作所(諏訪市)では、プレス加工で0・1ミリの斜め穴をノズル先端に12~15個開ける技術などを披露。その一方で「EVシフトの脅威も感じており、医療関連にも技術を生かしたい」(小松隆史専務)とし、グループのナノ・グレインズで開発を進める超微粒子(1ミクロン以下)ステンレス鋼「nanoSUS」で把持力を高めた内視鏡用カンシなども参考出品した。なお、同カンシは地場中小企業による医療機器開発ネットワーク「SESSA」の技術を結集したもので、内部の超微細バネはミクロ発條、難切削材のカシメ接合は共進の技術を生かすという。
 そのほか、JAXAと共同開発する小型ロケットプロジェクトの展示でも、熱可塑性CFRPとアルミニウムを加熱のみで強接合する技術を持つ太洋工業など地場十数社が参加し、新産業を通じた地場技術高度化の取組みを披露。併催イベントでは多摩川精機の萩本範文副会長や三菱重工の大宮英明会長による講演などを展開し、航空機産業拡大の機運を高める方向も示した。

■ロボット技術も提案
 大手・中堅企業のブースが並んだ電気・機械・光学のコーナーでは自動化やIoT化の提案が盛んに行われた。野村ユニソンのブースでは販社のナンシン機工との共同展示として、ロボットシステム・ソリューションを紹介。3台の多軸ロボットが省スペースで連動してバラ積みピッキングや整列、組み付けなどを行う様子を実演デモで見せた。11月29日から開催される国際ロボット展(東京ビッグサイト)でも展示予定。
 ロボットには独自開発したオリジナルの小型多ポートロータリージョイントも搭載しており「ハンドが360度回転してもエア配管が絡まない上、従来比50~60%小型化した。こうした独自開発の各種エンドエフェクタや自動化設備周辺機器に引き合いも多い」(同社)。野村ユニソンの野村稔社長は「精密加工分野で培った技術とナンシン機工による調達力を、ロボットをはじめとする工場合理化にも生かしていく」と話した。
(2017年11月25日号掲載)