コラム

2018年2月10日号

 モノづくり景気はまずまず、いや想像以上に好調だが、ひたひたと押し寄せる自動車EV化の波が気になるふう。今は良いけれどこの先は…。日本にとってクルマは産業の裾野が飛び抜けて広く従事者も多いだけに、不安の声は絶えない▼おたくはどう見る? 弊紙にも読者から質問が来る。EV化といっても、ハイブリッドやプラグインハイブリッド車を含める場合はパワートレインの多様化を読むことになるが、世間が恐れるのは完全電気化だ▼新車好調で、今年に入りアジアでエンジン工場を増設したカーメーカーの現法トップは「オープン初日、記者からEV時代を迎えるのに大丈夫かと質問され、さすがに険悪なムードになった」と苦笑する▼こうしたやりとりが出るのも、昨年来、ガソリン・ディーゼル車の販売禁止をEU各国らが―早くて2025年、多くは30年、40年までになどと―打ち出したからだろう▼けれどEUのEV政策にしても、まだ多くは法的拘束力など伴なっておらず「環境大臣の発言がひとり歩きしている例もある」(識者)というから流動的。その流動性が、不安を呼び込んでいるのかもしれないが▼他方でEV化が生むビジネス機会を冷静に探ろうとの動きも水面下から表に上がってきた。機械加工、金型製作などに新たな仕事機会が、それも相当量がやってくるのは確かなようだ▼プラス効果とマイナス効果。しかし当事者にとってマクロな「足し引き」は関係あるまい。新陳代謝が進む中でどんな手を打つのか▼先々での価格競争も見据えながら大胆な「挑戦」が動き出す。