コラム

2018年4月10日号

 昨日の常識が明日には通用しなくなる…。価値や見方が180度変わってしまうような経験は誰でもしているだろう。昭和世代にとって運動中に水を飲むな、は体育会系の指導でほぼ常識だった。今そう命じれば、非常識どころか吊るし上げをくらいそうだ▼ほかにも叱り方、健康法、治療法、個人情報の扱いなど以前の常識が覆っているケースは案外多い▼新しい常識をスムーズに受け入れる人、受け入れつつも今まで一体なんだったんだと愚痴の一つもこぼす人、稀に意に介さず一向に変わらない人もいて、新常識の受け止め方は様々だと思う▼つい最近、総務省がインターネット利用時のパスワードについて「定期的に変えるのはかえって危険」と注意喚起を行ったことも常識をぐらつかせている▼定期的な変更を推奨していたはずだが、そうすると推測しやすい文字列になって不正アクセスのリスクが高まるとの見方に根ざした方向転換だ。なるほど、と思うと同時に、少し考えさせられた▼そういうリスクを一向考えることなく、要求・指導されるままパスワードを「必然的に推測しやすい文字列で」定期変更してきた自分が頼りない▼常識や、時代の標準、ルールも含め変化の激しい世の中だが、自分なりに本質的な部分を感じ取って対応しないと、波間を漂うクラゲのように無機質で覇気のない存在に成り果ててしまいそうだ▼まあ、それにしてもIDやパスワードの増加と煩雑さはほとほと弱る。悩まずスイスイ、安全で忘れないパスができます―そんなソリューションが「常識」になる時代がくればなあ。