連載

2014年10月25日号

充実の設備&自動化ノウハウ

メーカー志向強く、経営の広がり着々

三和ロボティクス[精密加工/ロボットシステム製造等]

長野県飯田市

 三和ロボティクス(沢宏宣社長、従業員60名)は、時代の変化を捉えて事業内容を変化させてきた。  今年でちょうど創業50年。創業時は4人の社員で大手ゴムメーカーの継手金具を製作していたという。やがて得意とした旋削加工をマシニング、多軸、5軸加工へと広げる一方、自動化装置の設計、企画へと一つひとつ技術と事業の領域を拡大した。平成に入ってはロボットシステムや横型ボール盤の製造販売など自社オリジナル商品を市場に問う。
 2年前に社名を(株)三和精機製作所から現社名へ変え、昨年は本社工場を新築移転し、資本金も増資。ここ業容拡大の歩みには弾みがついている。

■受託加工の工夫活かす
 現在の売上構成は、エネルギープラントや自動車用塗装システムの流体部品を中心とする受託加工事業が約50%。ロボットなどを組み入れる加工効率向上の為の生産ライン製作(システムインテグレーター業務)が約35%。横型ボール盤をはじめとする自社製品の販売が残る15%。
 これら3つの柱は事業として各々独立するが、技術的には深く繋がっている。システムインテグレーター業務もオリジナル製品も、サプライヤーとして加工効率を追求するなかで生まれた成果物を新事業に転化したものだ。 沢社長が話す。「工場を見てもらえれば分かりますが、年季の入った、ひと世代前の5軸加工機がありますよ。多軸・5軸加工や、ワークのロボット搬送などは古くから取り組んでノウハウになっています。このノウハウをシステムインテグレーターという新事業に活かしました。また自社商品には、システムインテグレーターとして考案した専用機械を標準化したものがあります」。
 このように各事業分野は有機的なつながりを持つが、同社のコアな部分を探っていくと「切削能力」に行きつくのではないか。門型5面マシニングセンタ(MC)、複合加工機、5軸MC、横型MC…と機械設備だけでほぼ60台を数え、60名の会社としては多い。これだけの数の設備を、能力いっぱいに引き出して使い、自動化・ロボット化によってフル稼働させる。
 「切削技術はアルミの高速切削、5軸切削などから伸ばしました。ただ切削技術といっても、単に削りだけの技術ではなく、どう多品種対応するか、自動化するか、あるいは当社の仕事に多い流体部品製作だとバリが難点で、これをいかに効率的に取るかとか。ようは幅広い視点で切削技術を捉え、磨く必要がありました」(沢社長)。
 こうした視点から前後工程も含めて切削能力を磨き、その成果を新たな仕事に横展開した。いま同社は、自社のキーテクノロジーとして「切削」と同時に「ロボティクス」を上げる。

■メーカー指向強める
 沢社長はこの2つのキー技術を駆使し「オリジナル商品の売上比率を今の15%から50%に高めたい」と力を込める。
 「当社第2の柱になったシステムインテグレーターの仕事は、顧客の現場に入ってゼロから立ち上げ、時間をかけて完成させるもので、いわば現場完結型。ビジネスとしてはひたすら実績を積み重ねる以外にないんです。これに対しオリジナル商品の販売なら、狙いと製品企画がニーズに沿えば、足し算ではなく、掛け算のビジネスができます」(同)と考えている。オリジナル商品事業の拡大に資する「ネタ」もいくつか育ちつつある。
 前述の横型ボール盤は累計250台以上の販売実績。設備機械用浮上油回収装置も同2500台と全国で実績を広げている。さらにここにきて、どんな異形ワークも正確に掴んで機械のテーブル上に位置決めセットできる多関節ロボットの「ハンド」開発が進んでいる。既に自社の受託加工部門で活躍しており、虎視眈々、近い将来の外販を狙う。
 「多品種のハンドリングにはコツがあって当社なら提供できます。他方、モノづくりのロボット化が言われる割には多品種生産現場にはロボット導入が進んでおらず、ビジネスチャンスがあります。工作機械へのワークの搬入搬出だけでなく、バリ取りやエッジ仕上げのロボット化など、機械商社さんらと手を組んで一つひとつ提案を広げていきたい。そうやって事業を広げ50名強の社員を100名に増やせれば、会社の基盤が固まり、システムインテグレーター事業にしても新たな展開が見込めると思うんです」―沢社長は最後、そういってチャレンジ意欲を見せた。