コラム

2018年10月10日号

 先日、5年以上使ったスマートフォンをついに買い替えた。新発表のニューモデルではなく1世代前を選んだ▼同僚から「将来、TVの○○鑑定団に出すつもりか」と揶揄されただけでなく、突然固まるなど寿命も感じられた末のマイ決断だった▼電話とインターネット。それに音楽を聴くくらい。SNSは苦手で、こまめに対応し切れず持て余している▼そんな小生も、買い替え時は、さして意思も関心も知識もないのに、機能を増した新商品に目を凝らしたが、背後からの私の担当の声で我にかえった▼その担当とは受付で少し話しただけだったが、目立たない棚を指し「お客様はこちらの機種で十分です」。サラリと言ってくれる。失敬とは思わない。確かにそうなのだ▼「新型スマホも10万円を超えるようになると、昔みたいに先を争って買うようなことはなくなりましたよ」と店員。商売っ気が足りないが、ひょうひょうとして言うことが真っ直ぐだ。四の五の言わず、複雑怪奇な料金メニューも、彼の勧めに従いパッパッと即決した。店にとってはラクで効率のいい客だったと思う▼無駄なオプションをいくつか外すと、シミュレーション上の月々の料金負担が随分減った。こちらも満足だ▼ただ、産業界を取材する者として、店員の話は気になった。「この業界、そろそろ曲がり角に来ていますよ」。現場の声は貴重だ。的を射ることも多い。しばらくの間、雑談を交えミニ取材とあいなった。