コラム

2014年11月10日号

 読書の秋、食欲の秋。前者はともかく後者の言葉には甘苦い思いがする。クールビズを終えシャツの第一ボタンを締めると首回りに圧迫感。衣替えのズボンは敵意をもったようにポッコリの腹を締め付ける▼やれやれ、ここで食欲の秋などと能天気にはなれない。新陳代謝が落ち、痩せ難くなったと同時に、太るほうは優先道路一直線、雪上で雪だるまを転がすがごとしだ。格闘系のスポーツをやっていた青少年期に太りたくて太れなかった悩みが、今となっては恨めしい▼かくして「痩身」などという言葉に、似合わず関心を向けるに至ったのだが、調べてみると眉唾モノの世界が広がるように感じつつも、科学的アプローチが随分進化していると勝手に感心する▼代謝を高めるトレーニングと、炭水化物や糖質の制限方法。食事の取り方、生活スタイル、普段の姿勢。意志の継続方法。いろんな要素をミックスさせた痩身プロセスは今なお玉石混交ではあるのだろうが、時に説得力、光るものがある▼いや、もしかしたら健康や身体を対象にする科学の力はまだ発展途上だったのかもしれない。あくまで筆者の経験に過ぎないが、ほんの数十年前、スポーツ練習中の水分補給は禁じられていた。今は同じ運動競技で多くの指導者が20分置きに水とナトリウムを摂取させている。体の作り方も合理的だ▼過去を否定し新しい形を出しているところが興味深い。もっと違ったアプローチがあるはず、腹をポンと叩いて仕事に向かった。