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SEMICONに5.3万人が来場

半導体、用途に合わせた新開発

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 半導体やスマートデバイスの製造サプライチェーンを集めた国際展示会「SEMICON JAPAN2018」(SEMI主催)が12月12日から3日間、東京ビッグサイトで開催された。出展規模は727社・団体、1881小間。3日間で5万2865人が来場した。
 AI開発のユニコーン企業として注目されるプリファードネットワークス(PFN)は、深層学習の特長である「行列演算」に最適化した専用チップ「MN−Core(エムエヌ・コア)」を独自に開発。会場にはMN−Coreチップ、ボード、サーバーなど深層学習向けのハードウェアを出品した。PFNはこれまで、ティーチングレスでバラ積みワークをピッキングできる深層学習モデルをロボットに搭載するなど、ソフトウェア開発で注目を集めてきたが、今後はハードウェアでも存在価値を高めていきそうだ。PFNはMN︱Coreについて「最小限の機能に特化することで深層学習のスピードを高速化でき、世界最高クラスの省電力性も実現した。深層学習済みモデル(データセット)をより高速に現場に提供でき、複雑な問題解決にも役立つ」という。
 ニーズに合わせた半導体を1個単位で生産できる「ミニマルファブ」の展示ブースにも多くの人が訪れた。ミニマルファブとは、ハーフインチウェハを使った半導体ファブのこと。洗浄、露光、成膜、エッチング、検査など1工程1台の超小形装置(幅296ミリ)を複数台並べて構成する。「ミニマムシャトル」と呼ぶ密閉容器にウェハを1個ずつ入れて搬送し、クリーンルームを用いず生産できる。
 開発を主導する産業技術総合研究所(AIST)によると、「半導体生産工場と言えば大量生産が当たり前で、数千億円規模の設備投資が必要だった。しかし、ミニマルファブの投資額は5億円程度。中堅中小規模の企業でも自前で半導体チップの生産ができる」という。試作開発や宇宙開発、医療関連などでの活用を想定。例えばJAXAでは放射線に強い特殊な半導体チップなどをミニマルファブで生産しようとしているという。(一社)ミニマルファブ推進機構の研究会には124社・14大学などが参画。装置の開発と普及を進めている。
 会場では次世代ロボットの開発案件も目立った。立命館大学発のベンチャー「人機一体」では、遠隔操作でロボットを動かす「マスタースレーブ」技術を大型ロボットで実演して注目を集めた。通常のロボットのように座標制御で動かすのではなく、各軸のモーターにかかるトルクを制御して動かすのが特長。重さや抵抗感が操縦者にも伝わりやすく、「土木や建築などの重労働をロボット化しやすい」(同社)。
 また、ロボットハンドに感覚を与えられる柔軟なカバー「グローボ」(日本航空電子工業)もユニークな開発例だ。「グローブの指の部分に圧力センサーと光センサーを搭載すれば、非接触で形状を把握できる。ティーチングレスで様々なモノを的確に掴める。食品や医療関連でも使いやすいよう、1個500円程度で市販を目指す」(同社)。

(プリファードネットワークスが開発した深層学習向けの専用チップとボード)

(2019年1月1日号掲載)