コラム

2019年1月25日号

 スタッフで手分けし産業界の新年賀詞交歓会を30~40会場ほど回った。挨拶で多く使われたキーワードのトップは「潮目の変化」か。景況感を語るなかで「まだら模様」や「不透明」といった言葉もよく耳にした▼先行き懸念感の広がりを表す発言だが、考えてみれば、低成長ながら国内経済はずっと右肩上がり。この1月で景気拡大期は74カ月、戦後最長をついに塗り替える公算があるという。無責任ながら、そろそろ潮目が変わったって当然と言えなくもない▼ただ気になる。景気の循環や浮き沈み、ニーズやトレンドの変化が状況を変えるのならともかく、足下の経済は、国際情勢や一部政治家の発言に翻弄され右往左往するばかり。「もういい加減、勘弁して」と言いたい▼よく○○ショックというが、何らかのショックで、世界中が感電してしまうような世の中に変わってしまった。そのショックの振れ幅を投機市場が大きくし、混乱に輪をかける…▼今年の賀詞交歓会の挨拶では、市場経済に限界が来ているとの指摘も混じったが、そもそも経済とは「世の中を治め、人民を救う」を意味する経世済民の略語だ。そこからみると、今の経済は、本質部から軌道を踏み外してしまっているのかもしれない▼正しく生き、正しく働く人が正しく果実を受け取れる平等で理不尽のない世界を夢見たい気さえする▼いや、それは瞬時の甘い気分に過ぎず、もうすっかり忘れてしまった初夢のようなものなのだろうが。