コラム

2019年2月10日号

 先日、ロボット関係の全国団体トップとゆっくり話をする機会を得た。そこで話題に上がったのが時代のテーマに沿う人材育成の在り方▼今や多くの製造業にITや3Dデータに通じる人材が欠かせず、その方面の教育が大事というわけだが、このトップいわく「しかし今の教育は、まったく現場に降りていない」。声のトーンを高くし、厳しい表情に▼現場に降りていない? 瞬間、意味を量りかねた。恐らくこういうことだろう。中・高、そして大学の一般教育と10年近く英語の授業を受けながら、ろくに英語を話せない人が多いように、社会人教育も仕事の場(現場)で活かせるものにはなっていない、と▼ITや3Dデータを単に学ぶことと、それらを現場に活かす能力を身につけることは全く違うということでもありそうだ▼なるほど、英語にしても、毎日机にかじりついて英単語や文法を覚える詰め込みの勉強より、1~2年海外の街で武者修行した子のほうがよほどうまくなる▼活かせないという欠点は、長く続いた偏差値教育、点数主義の弊害か。そしてその弊害が、社会人教育にも染みわっているということか▼そういえば、大学入試はマークシート記入方式のセンター試験が来年の実施で終了し、新たな教育改革に沿って、記述式の回答を含むものに変わる▼教育改革では主体的・対話的な学びを重んじ、思考力、判断力、表現力の育成に努めるという。そう、変えるべきは足下からなのだろう。