コラム

2019年4月10日号

 春。新社会人をオフィス街で見かける。新着のスーツや立ち振る舞いから、ひと目でそうと分かるのが不思議だが、溌剌とした彼らは、ベテラン社員のモチベーションも押し上げてくれそうだ▼特に今年は、新元号が決まり、春の訪れとともに心機一転、良いムードをもたらしている。この機会に「新しい時代の計」を考えたい▼さて、新元号「令和」に対し、好印象を抱く人は全国紙系の複数調査で6~7割を占めた。少し達観したような感想を許してもらえれば、好印象6割強、なじみにくい4割弱の比率は、社会として健全と映る▼ある識者が、時代がいくら変わろうと、主流派と反主流派、あるいは異端派などの割合はそうそう変わらないと言ったのを思い出す。社会はそうしたバランスの上に成り立っているのだ▼ただ、だとすれば、令和が元号として初めて日本古典(万葉集)に由来した事への賛否で、賛成派が9割近く(新聞系調査)と圧倒したのは、少々いびつかも。保守派モード台頭の現われと海外から指摘を受けたのも仕方ない▼自国への純粋な愛着が賛成多数につながったと思いたいが、中国由来の元号をいい加減変えたいとの動機が、今のアジア情勢とも絡まり底流で支持されたのは確かだろう▼いや、そんなことより、日本由来の新元号が、この国の良さを大切に見直す契機になれば、やはりそれに越したことはないはずだ。小生、読み止しの万葉集を大型連休で味わうと心に決めた。