コラム

2019年4月25日号

 5G(第5世代移動通信)の話題が製造業の世界でもよく聞かれるようになった。基地局設置に絡み、試作型分野に大量の発注が出だした、といった話も1カ月ほど前から耳にする。いよいよ、という感じだ▼なにせ経済効果は国内の製造業・オフィス関連だけで13.4兆円(総務省調べ)。国内全体だと約50兆円(同)。さらに世界的に見れば1365兆円という桁違いの効果が米国で試算されている▼ちなみに東京五輪の経済効果は、招致が決定した2013年からの10年間で約30兆円(都試算)。五輪を上回る5Gの効果は、五輪効果の幾分かが出尽くしているのに対し、今後一気にくる。そのインパクトたるや絶大だろう▼IoTやAIを活用する次世代製造に向けた取組みも飛躍し加速する。「工作機械などの工場設備が、次世代通信の端末的存在になる日は遠くないだろう」とは、準大手機械メーカーで開発を仕切る経営幹部の弁だ▼しかしまだ全体像が見えにくい。5G関連ビジネスが順調に立ち上がるかもクエスチョン。くだんの経営幹部は「他社より先行して5Gに対応したいが、2歩も3歩も前に出ようとすると、ポイントがずれそうだ」と苦笑した▼「だから足下のニーズに対応した開発と、中長期的な5G等に対応したソリューション開発の2足のわらじを心掛けている」と言う▼各社各様の水面下の動きは5Gビジネス本格化とともに一気に表に出る。それがもう秒読み段階に入った。

(2019年4月25日号掲載)