連載

2019年5月25日号

青山工機、木材ひと筋60年超の加工機メーカー

6軸多関節使えば加工はシンプルに

 主に木材切削加工用ロボットを手がけるSIer、青山工機(名古屋市中川区)はこの6年で30数台のKUKA製ロボットを納めてきた。2017年秋からは日本有数のプレカット工場をもつ大手ハウスメーカーの工場向けに搬送ロボット17台を納入。長さ6メートル、重量350キロの木材を次の加工工程に運ぶためのものだ。
 「日本全国にお客様の拠点があるので現在は月に1台ずつのペースで納めている。7月までこの忙しさは続くだろう」
 2代目の青山真人社長はそう話す。社員8人だが、関東を中心に全国に客をもつ。「ロボットを導入する際、オプションでリモートカメラも付けて弊社独自の監視ソフトにて現場を管理できるようにしている。現場のハード状態、制御状態をリアルタイムでモニター管理できるので、何か問題があっても電話での簡単な指示で対応できる」。
 設立からもうすぐ63年を迎える同社は穴あけ、梁・ほぞ作りなどができる木材加工機メーカー。加工機は高速スピンドルやテーブル、ATCなどを備え5軸加工もでき、モーターがやや小さいほかは金属工作機械とあまり違いがない。1985年に入社した青山社長はロボットを使えばもっと簡単に加工でき、導入コストも下げられるのではないかと考えた。
 「もともとロボットを使ったシステムを作りたかった。6軸の多関節ならもっとシンプルに加工できるから」と振り返る。転機は2012年。ハウスメーカーからの依頼で納める自動化システムに国産ロボットを組み込んだが、「躯体強度がもの足りなく、切削加工の精度もいま一つだった」。そんな時にたまたま知ったKUKA製なら要求をクリアできると翌年から扱い始めたのだった。

ドイツ視察で「いける」
 行動力がある。当時、ロボットの動きを間近で見られる産業見本市は国内にまずなかった。そこでドイツのハノーバーメッセに1人で視察に。「KUKA製品がずらりと並び、迫力があった。これだという直感で、帰国後すぐに同社の日本法人に電話した」。
 同社からの勧めで硬質樹脂をKUKAロボットで切削する会社を神戸市へ見に行った。「これならいけると思った。当社にも早速デモ加工用に1台購入すると、その120キロ可搬のハイグレード仕様はいい仕事をした」。
 ユーザーの9割はハウスメーカーで、1割は発泡ウレタンなど非木質材を扱う加工会社。「昨今の働き方改革、脱3K、人手不足もあって注文が急増している」と青山社長。納める際に同社が計算式を作ってしっかりチューニングすることで信用を得ている様子。「生産効率の観点から工場のどこにシステムを置くのがいいか。どの順番で加工するとワークが安定するか。そういったことも含めて提案できるのが当社の強みだろうか」。
 今後は組立工程にもロボット利用を勧めるつもりだ。双腕ロボットは可搬質量が小さいので複数台を同期させる必要があるが、「何事もルール。きちんとした規則づくりと現場のノウハウを整理すれば、あとはソフトで補える」。さらにこれらとAGV(無人搬送車)を組み合わせた工場全体に提案の幅を増やす予定だ。