コラム

2019年6月10日号

 前号の当欄で風薫る5月の爽やかさを、風にまつわる個人的な想いも交え綴ってみたが、翌々日の発行日から一転、まさかの全国的な真夏日に▼季節にあわせたコラムのはずが、すっかりハズしてしまい、しばし反省。まったく、昨日とは違う明日が、政治もビジネスも、何かと変動激しい昨今の天候でも頻発してやってきて予断を許さない▼この4月に施行された改正労基法も、想定外(?)の事態を招いている。月々の残業代を家のローンに充てていたサラリーマンが、働き方改革の余波で資産売却を余儀なくされたとか、来年に防止対策が課せられる見通しのパワハラ関係では、いま企業向けセミナーが異常なほどどこも満員だとか▼先進国中、ハラスメント規制で日本が最も遅れているとされてきたが、一気に潮目が変わっている▼そうかと思えば、今どきの若手社員の中には、上司に呼ばれて叱責される際、「ちょっとスマホで録音いいすか?」と応じる向きもあるそうだ。やれやれである▼業界の先輩が「ハラスメントにしても、普通に対応していればなんら問題は起きない」と言っていたが、昨今はそれで十分ということでも無くなった▼空気を読むことを大切にする日本人は、それゆえ、時代のムードに合わせ一気に変転してしまうとの指摘があるが、今の状況はそのピタリの具体例かもしれない▼主体性に欠く対応を国中で右往左往してこなすうち、大切な何かを他国にごっそり持っていかれなければよいが。