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東芝機械総合展 約8000人が来場

精密加工、3つの新機能で革新

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 東芝機械(三上高弘社長)は5月23日から3日間、静岡県の沼津本社と御殿場工場で、毎年恒例の「第17回東芝機械グループソリューションフェア」を開催した。来場者数は目標の7000人を大幅に上回る7983人。過去最高だった昨年の記録(6909人)を再び更新し、大いに賑わった。
 沼津本社の精密加工センターでは、超精密立形加工機「UVMシリーズ」の3つの新要素技術に注目が集まった。最大の目玉は「工具経路ベクトル補正」。機械上で切れ刃の輪郭形状を計測し、NCデータを機械上で自動補正できる機能だ。摩耗したCBN工具でSTAVAX材を加工した場合でも、同補正をかけることで形状精度±1ミクロンにも対応できることを実証した。
 ナノ加工システム事業部の天野啓部長は「自動車大手では燃料電池セパレータの加工で同補正を試験運用し、『工具費を大幅低減できる』と好評。CAMに戻らず補正できるので、納期短縮にも貢献する」と革新性を説明した。加工後はさらに、こちらも新開発の「画像式寸法計測機」で微細形状ワークを計測し、±1ミクロンの追い込み加工にも対応できる。また、標準主軸の2倍の剛性と5倍のトルクを持つ「高剛性高トルク空気静圧受主軸」(新開発)では、「工具メーカー推奨値の2倍以上の条件で加工でき、荒加工から鏡面仕上げまで1台でこなせる」(天野部長)という。
 沼津工場では2種類の双腕協働ロボット「RIDRS(ライダース)シリーズ」(参考出展)にも注目が集まった。ヒト型、スカラ型ともに腕が太く、可搬重量は片手6キロ、両手10キロ。ヒト型ではアームと腰軸(屈曲・旋回)の同期制御により、人の上半身のようなスムーズな動きを実現できることを、ねじ締めなどのデモで見せた。旋回腰軸を備えたスカラ型も組立・箱詰作業など小規模作業の自動化に向くことを示し、2機種ともタブレットなどから簡単に操作できるとアピールした。

 航空・宇宙の提案強化
 中大型の工作機械を展示した御殿場工場でも新製品・技術を多数披露した。ターニングセンタTMDシリーズでは新たに、高減衰性を高めた摺動面仕様機を追加。同仕様に14MPaの超高圧クーラントを組み合わせた加工を実演し、「航空・宇宙分野で使われるインコネル718の高能率加工が可能になる。刃先冷却と切り屑細断により、従来に比べて切削用チップの寿命を1・4倍以上に高寿命化できる」とした。
 最大φ2000×高さ1000ミリの金属3D積層造形が可能な試作機「ZK−T2010」では、同機で試作した航空機エンジンケース(φ710ミリ×高さ400ミリ)を展示。高出力レーザーと2本のチルトヘッドで素早く造形できることをデモで示し、「チタンやインコネルなどのブランク材の調達は数カ月かかることも多いが、本機を活用すれば造形は約3日。後工程の切削加工量も削減できる」と説明した。また、門形マシニングセンタ「MF−2614FS」ではFSW(摩擦撹拌接合)のデモを披露した。

(2019年6月10日号掲載)