連載

2019年7月10日号

ワイテック、標準バリ取り装置を商品化

ロボットに研磨材ノウハウを搭載

 バリ取り、測定、展示用デモ装置などのロボットシステムを年に20ほど東海地域に導入するSIer、ワイテック(愛知県清須市)。営業担当者をもたずウェブサイトから受注する。リピート注文が多く、1日に4件、月に100件ほどの問い合わせが入るそうだ。吉澤洋社長は「いまSIerが足りていないのでしょう。困っているからお問い合わせいただくわけで、お客様の質は高い。もっとも、難しい作業の自動化か短納期か、いずれも曰く付きの案件ばかりですけどね」と笑う。
 同社は振動ブラシなどを内蔵した先端ハンドツールの選定・開発・販売を、研磨材メーカーや商社と連携する形で行ってきた。客の要望でハンドツールに電気制御を組み入れたり、展示会でアピールするためのデモ装置を作ったりするうちに自動装置を作れるだけのインテグレーション力をもつようになった。「私が事業の方向性を決めているのでなく、お客様が道を決めた。私は時代の流れに身を任せているだけです」と吉澤社長。
 主力のバリ取り装置ではアームの先端に付ける工具に詳しいことが強みだ。昨秋には小型の標準バリ取りロボット装置「DEBURIX(デバリックス)」(販売・柳瀬)を、経済産業省の「異分野連携新事業分野開拓計画(新連携支援事業)」に本間商会(研削砥石・研磨材販売、愛知県名古屋市)とともに採択されて商品化した。この種のロボットはユーザーにより使い方が変わるため納期に半年から1年近くかかることが多いが、DEBURIXならわずか3カ月。装置寸法は幅1050×奥行1050×高さ2000ミリと中小の工場に設置しやすいのも特長だ。価格は仕様によるが1千万円以上という。来年のJIMTOFでは柳瀬か本間商会・ワイテックのブースで改良品を出品する予定。幅1500×奥行1500ミリのひと回り大きなサイズの商品化も検討している。

シリコンゲル作りで創業
 ワイテックには創業当初からのもう1つの顔がある。シリコンゲルメーカーとして靴インソールや免震装置、義手義足といったメーカーから受注するほか店舗用看板アートを作ることもある。開発するシリコンゲルは引き裂き強度や粘性を高めたもので、その試作品の型を大きなものは3Dプリンターで、小さく精密なものは光造形機で作る。試作なら社内で、1万個単位の量産なら中国の協力工場で製造する。「玉子を仕入れてオムライスを作るようなもの。収益率はけっこう高いですよ」。機能性ゲルは繊細なモノの扱いが要求されるロボットシステムにも使えそうだ。
 売上高はシリコンゲル対ロボット装置が4対6と、6、7年前から始めたロボットが上回るようになった。今後どんな自動装置づくりを目指すのか。
 「少人数の当社の能力は限られるので、質を大事にしたい。DEBURIXもそうですが、お客様のニーズをしっかり聞いたうえで双方にメリットのある売り方・仕組みを整えていきたい」

(写真=DEBURIXをひと回り大きくした動作検証機)

(2019年7月10日号掲載)