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広がるHSK、主軸で変わる工作機械

生まれ変わる5面加工機

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 工作機械主軸が変わってきた。近年、採用が目立つのはHSK(中空テーパー)シャンクだ。一般的なBT(ボトルグリップテーパー)よりもテーパー部が短く、振れ精度に優れるので高速回転に耐えられる。結果、重切削や仕上げ加工に向く。HSK仕様のマシニングセンタ(MC)を使って磨きレスのゴム金型をつくる金型メーカー丸五テック(岡山県倉敷市)は、「HSKは主軸の伸び縮みが少なく高回転に向く。BTでは高回転時に風切音がする」と話す。
 今年の金型加工技術展インターモールド(4月の東京、6月の名古屋)でもHSKシャンクを用いた主軸が多く見られた。安田工業が立形5軸マシニングセンタ(MC)「YMC650」に採用したスピンドルはHSK︱E40仕様。「重切削性は従来比でほぼ2倍。荒から中仕上げをこれ1台で加工して、時間短縮と精度向上もかなう」と言う。

 

■3万回転で仕上げまで
 牧野フライス製作所が参考出品した立形3軸MC「CONCEPT2」の主軸のシャンクはHSK−E32(BT40番相当)。最大毎分3万回転かつ重切削できることから、400ミリ角前後の多数個取りゴム金型を対角ピッチ誤差を1.2ミクロンに抑えて3日ほどで仕上げて見せた。三菱重工工作機械がHSK−E50仕様(BT30番相当)の主軸を採用した立形MC「μV5」も毎分3万回転と一般的なMCの1.5倍。「荒も仕上げも行える」と加工したゴム金型を紹介した。


■生産性1.5倍に
 DMG森精機は主軸に自信を覗かせる。昨春披露した新開発の主軸compactMASTER(毎分1万2千回転、オプションで2万回転)は従来500ミリあった全長を350ミリに抑えたことで、90度回転させても第2刃物台との干渉領域が小さい。また今月上旬には、伊賀事業所に5台保有する東芝機械製門形5面加工機の1台を大型加工機Gantryで使っている主軸(毎分1万2千回転)などに入れ替え、生産性を1.5倍に高めたことを明かした。森雅彦社長は「使い始めて10年の大変頑丈な機械だが、主軸を変えるとどう変わるのかを実験してみたかった」と話す。

(写真=全長を350mmに抑えたDMG森精機のcompactMASTER)

(2019年7月25日号掲載)