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東栄機工(茨城県神栖市)、地域に根ざす展示即売会

来場600名、成約額過去最高に ふれあい東栄祭

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 機械工具商社の東栄機工(茨城県神栖市、笠原洋社長、従業員32名)は毎年秋、本社敷地内で東栄グループ3社による「ふれあい東栄祭」を開催している。今年は11月7、8日に開催。マシンツール関連中心にメーカー約50社が出展し、計603名の来場者に特価品を提供、事前の取り組み期間を含めた売上額は目標比7割近く伸び、初の1億円に達した。

 地域の機械工具商社・ディーラーが行う個展や商談会は、いまや珍しくない。鹿島コンビナートで知られる茨城県鹿島地区でも、近年、複数の商社が展示即売会を定期的に開くようになった。そうしたなか「地域において、他社に先駆けて展示会に取り組んできた経験を、地元のお客様に還元できれば」と笠原洋社長は話す。創業1975年。20周年などの記念事業として不定期で開催した展示会は、この10年以上、毎年の恒例事業として定着している。
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 「来場されるお客様の7割は顔見知り」という笠原社長は、常に特設会場を歩き回り、飾らない気さくな言葉で顧客に声をかけていた。
 「地域の景況感はいいとも言えません。仕事のある他地域に移っていかれる方もいらっしゃいます。そうしたなか、ここに来ていただいて、商談中心だけどそれだけじゃない、地域の現状とか仕事のこととか、コミュニケーションを通じて何がしかを得ていただきたい。そういう情報を交換できる場にしたいとの思いです」と話す。
 「開催を終えて社内反省会をやると、どこどこに経費をかけすぎた、あれは無駄だった、正直言ってそんな意見が出がちなんですが、それはそれとして、もっと別の価値観に立って見直すべきところもあるんじゃないか、と思っています」と続ける。
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 創業者である笠原克司会長もほぼ同意見だ。「お客様への恩返し、が開催動機。メーカーさん、卸商社さんに協力してもらって価値あるものをできるだけ安く売る、その行為を通じて日本人らしい心のふれあい、信頼感が高まれば当社にもプラスになる。目先を計算したら割に合わないが、そうではないまた違った人間関係からくる価値観は、今の日本社会のなかでも残ると思う」。
 今年の開催初日、会場は工具・産業機器・溶接関連などのツールで埋まり、ほとんどのメーカーが「展示会特価」・「放出価格」などとセールを実施した。通常、展示会はお昼前後が人出のピークだが、夕方になっても客の出足が途切れない。「仕事帰りに気さくに寄られる方も多いんですよ」と同社の社員が話した。
 笠原社長は「タイムリーな商品をできるだけ安くご提供することに努めている」としつつ、慎重な言葉も吐いた。「安いでしょう、といってもそれはあくまでこちらの都合。欲しい時に買いたいという要求もあり、安いですヨ、タイムリーですよ、とアピールするだけではまだ足りない」。
 その足りない部分をどう埋めるか、答えを模索し続ける同社の姿勢が賑わいの背景にあるのは確かなようだ。