連載

2019年8月25日号

IDECファクトリーソリューションズ、安全対策の提案力に強み

協働ロボットとAMRに特化

 青やオレンジ、緑のロボットアームが実によく揃っている。IDECファクトリーソリューションズ(愛知県一宮市)が2016年に開設した協働安全ロボットテクニカルセンター(同市)の展示ホールだ。16台のアームと3台のAMR(Autonomous Mobile Robot=自律走行型搬送ロボット)が常に動かせる状態で並ぶ。
 ここにあるのはすべて協働ロボットで、安全技術で定評があるという。親会社のIDEC(大阪市)は、ロボット1台にほぼ1台付くティーチングペンダントのイネーブルスイッチで世界シェア約7割とこの業界で知らない人はいないくらいだ。そのIDECの機器などを用いてFAのインテグレーションを担う。メインターゲットとなる自動車分野のほか、これまで導入があまり進めてこられなかった食品・住宅設備機器メーカーの工場での利用を提案する。来館者はじわじわ増え、今年4−7月で90社強が訪れた。
 安全技術で高く評価されているというが、協働ロボットはもともと安全なのではないか。
 「みなさん、よく誤解されています。たとえば出力80ワット以下なら安全柵が要らないと思っていませんか?」
 同社取締役の鈴木正敏ロボット事業本部部長の問いかけにすぐに頷いてしまった。「80ワット以下は『産業ロボット』としての扱いにならない、というだけ。安全柵等の設置義務はなくてもリスクアセスメントはきちんとしなければなりません」

 安全性に対する同社の力の入れようは資格保有者の数で窺い知れる。日本には主に機械設計者を対象としたセーフティアセッサ資格制度(有識者で構成する第三者機関が認証。3年前からタイ政府も活用)があり、その最上位セーフティリードアセッサ(SLA)の資格保有者が同社グループに15人いる。日本の保有者42人(18年度末時点)の4割近くを占める。

来年から自動車分野で本格導入?
 同社の事業は大きく3つに分けられる。設立当初からの、売上高の6割を占めるのがロボットを使わないFA。3割は図書館の自動化で入退室管理や貸出・返却システムなど。こうした経験を経て14年から本格的に始めたのが、売上の1割ほどを担う協働ロボットを用いた自動化だ。
 展示ホールにはKUKA、ユニバーサルロボット、ファナック、安川電機、三菱電機などの協働ロボットのほか、それに伴って必要になるシミュレーションソフト、ハンド、ビジョンなどを様々取り揃える。今年からAMRの扱いも始めた。特定メーカーのアームに特化するロボットSIerが多いが、「お客様は箱詰めしたいのか、パレタイジングか、ねじ締めか、検査なのか。どこまでの精度を要求するのかといったことで提案するロボットは変わってきます」と鈴木部長。
 同社の協働ロボット案件の6割を占めるという自動車業界向けのニーズが変わってきた。昨年は社内検証を目的としたロボット単体での受注が多かったが、「今年はシステム単位での試作ラインの検討が始まった。来年から本格導入が始まるかもしれませんね」と言う。

(写真=協働ロボット16台とAMR3台が試せる協働安全ロボットテクニカルセンター)

(2019年8月25日号掲載)

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