オヤジの喜怒哀愁

2019年9月25日号

空白の2日間

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 停電したのは9月9日月曜の0時から2時の間だった。台風15号で被災した話である。そうして我が家に灯りが戻ってきたのが12日木曜18時半ごろだった。ほぼ4日間にわたって電気が止まっていたことになる。
 筆者の住む地域は市水は出るしガスも使えた。停電の影響で多くの店は閉めていたものの、限られてはいるが大型スーパーやガソリンスタンド、コンビニの一部が営業していたため食糧や物資がどうしても手に入らないという危機的状況には至らなかった。で、何を一番痛感したかというとそれはスマホ情報通信網の脆弱さということなのである。
 9日朝、スマホがインターネットにつながらない。停電しているのでWi︱Fiはダメだが、4G通信もつながらない。はじめは皆が殺到して回線が混んでいるのかと考えた。しかし、まったくつながらないのはおかしい。どうやら停電で中継基地局がダウンしているようだ。
 ネットもダメ、通話もダメ。キャリアの違いで多少状況に違いはあったが基本的にスマホは単なる時計付きカメラに成り下がった。それでもいつものように右の尻ポケットに携帯せずにいられないのは精神的依存だろうか。

 停電に弱いスマホ通信網
 一方、イエ電も電気なしでは通じない。電気なしでも通話できた黒電のほうがよほど頼りになる。テレビはダメ。電池で聴いているラジオが「被災地や停電の詳しい情報はネットでもご覧いただけます」と妙に明るい声で言う。なんもわかっとらん。マスコミ報道で被災地感情は逆撫でされる。
 10日火曜昼頃にようやくメールを受信できるようになった。しかしまだ返信ができない。通話もネットも安定してつながるようになってきたのは台風から3日目の11日水曜昼頃だった。この頃から知り合いからのお見舞いメールや電話が急に増えた。たぶん、情報網復旧でテレビの被災地報道が本格化して、へぇ~、こんな大変なことになってたのかと驚いた人が増えたのだろう。
 月火とこの夏一番の暑さの中、暗澹たる気持ちで割れたガラスを拾い、倒れた木をどかし、飛ばされた屋根にブルーシートを張って汗だくになっている被災地の姿をスマホならリアルタイムで知ることができるなどと思っていたら、それは大きな間違いなのだ。