コラム

2019年10月10日号

 市場のムードや勢いのほどを「地合い」という言葉で表現することがある。地合いの良し悪しを見て投資すべきなどと、主に株式市場で使われてきた▼これを今の民間設備投資に当てはめると、さしずめ「軟弱な地合い」と表現されそうだ。国際貿易摩擦をはじめ、半導体関連のダウントレンドなど足下から先行きまで不透明。投資手控えムードが世界を覆い、国内も例外でなくなっている▼設備投資業界で生計を立てる向きにとっては、強いも弱いも地合いに関係なく、徹頭徹尾、ベストを尽くすしかないが、環境が悪いと成果も限られるのは致し方ない▼ただ「市場の地合い」という言葉は実体不確かで曖昧だ。英語にするとMARKET SENTIMENT。つまりは「感情」。不安感や不透明感。あるいは安心感や心強さ。古今東西、感情や心理がマーケットの勢いを左右してきた▼けれど、株の世界はいざ知らず、設備投資は地合いが判断の決め手とはならない。今、モノづくりの在り方が猛スピードで変化しているが、これに対応すべく、ごく最近になって大手製造業が積極的なIoT投資に踏み切っているとの話も聞く▼時代の変化や新ビジネスに対応するには、地合いの良し悪しに関係なく、それにあった設備、システムが欠かせないことが、しっかり認知されている▼そこがはっきりしている以上、設備投資が遠からず本格再開するのは間違いないだろう▼国際情勢がある程度晴れれば、一気にその時が来る気がするが、甘いだろうか。