連載

2019年10月10日号

テックメイク、半導体組み立て自動化の先駆者

自動化技術を日本の輸出コンテンツに

 ファナック製垂直多関節ロボットに取り付けられた画像センサが宛名やバーコードを読み取り、独自開発の吸着ハンドが封筒を持ち上げて送り先別に仕分けしていく。10分間に100通を処理する「仕分けロボット」は物流業や郵便局向けに開発され、すでに納入実績もある――。
 半導体組立メーカーに勤務していた先代が、1995年に一人で事業を立ち上げたテックメイク。いち技術者として様々な現場を渡り歩くなか、とあるメーカーからロボットを活用した自動化ラインの立ち上げを相談されたのが2001年頃のこと。
 先代がまず相談を持ちかけたのは、実子であり当時ソフトウェア開発会社でエンジニアとして活躍していた、現代表の桑原伸一郎社長。
 「さまざまなツテを辿ったが、当時はそういった人材がなかなかいなかった」こともあり、桑原社長は「社員第1号」としてテックメイクに入社、親子二人三脚でロボットSIerとしての道を歩み始めた。
 幅広い知見を持つ先代と、エンジニアとして研鑽を積んだ桑原社長の最強タッグは、まもなくして垂直多関節ロボットとビジョンシステムを組み合わせた半導体組立セルラインを製作、納入。ロボット導入がまだ進んでいなかった当時の半導体業界から大きな反響を呼び、数多の受注を得ていく。
 桑原社長は「元来、組織が嫌で起業した先代は、『あまり会社を大きくしたくない』と言っていた」と述懐する。だが、引きも切らない需要に応えていくうち、社の規模は拡大の一途を辿る。さらにリーマンショックを機に、半導体一辺倒から産業機械、自動車関連、三品業界など幅広く進出。2015年に先代が引退し、桑原社長にバトンが引き継がれた後も順調に事業領域を拡大、安定した経営基盤を築いている。

■大手メーカーも信頼
 同社には、構想から設計、アフターサービスに至るまで客先の依頼にワンストップで応えられる部門と設備が整う。
 桑原社長は「企業規模の大小に関わらず、導入後の費用対効果がはっきりと分かるコストパフォーマンスの高いソリューションを提供したい。また自動化するにあたり、導入までのスピード感と納入後の安定感の両立は必須。だからこそ、どんな部品でも自社ですぐに対応できるようにした」と言う。
 工場内の一画には、FA現場で数多く使用されている三菱電機の制御機器「MELSEC」を搭載したロボットシステムが、保守点検のために戻ってきていた。自動化を積極的に推し進める大手メーカーから、キーとなる製造部門の自動化を任されるだけの実力と信頼感がある証と言えよう。
 また製造部門では60代男性から20代女性まで、幅広い年齢の社員がひとつのチームとなって仕事に取り組む。聞けば同社には「定年が無い」という。
 同社総務部の丹羽章太郎部長は、「都内とはいえ、人材不足は深刻ですので出来るだけ長く働いてもらえるような人材育成と環境づくりに注力している。待遇面でも同業他社に負けないよう心がけている」と語る。
 桑原社長は今後の事業展開について、「自動化・省人化技術こそ、日本が新たな輸出産業として世界で戦っていけるものだと確信している。いまは国内案件が中心となっているが、今後は海外への積極的なセールスも行っていきたい」と次代を見据えた取り組みに意欲を見せる。

(写真=ファナック製ロボットと自社開発のハンドを組み合わせた「仕分けロボット」)

(2019年10月10日号掲載)