オヤジの喜怒哀愁

2019年10月10日号

台風復旧は長期化する

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 日々のテレビニュースからは消えつつあるが、前号に続いて台風15号被害の続報。方々で引っ張り凧のブリキ屋さんが我が家の屋根を見に来てくれた。幸い異常なしとのことでひとまず安心。職人は言う。
 「こういうの(災害復旧)はよくないね、疲れるねぇ。たくさん仕事があるっていったって自分のところでこなせる量は高が知れてる。それでも知人に頼まれれば無下にもできない。世話になってる工務店に納期を切られれば後回しにするわけにもいかない。いつになるかわかりませんよ、と言ってお客さんが待てればいいけど、そうでない場合は冷たいようだけれどお断りしている」
 9月9日未明の台風からひと月経過したが、その間、あちこちの見積もり依頼に忙殺されて我が家のブリキ屋さんが実際に修理した屋根は2軒にとどまるという。
 資材も枯渇している。一夜にして数万軒という家屋に被害が出て需要に供給が追いつかない。東日本大震災直後もそうだったらしいが、瓦などの一部資材には値上がりを見込んだ買い占めの動きも出て品不足を煽っている。そこらじゅうの屋根にブルーシートが張られているが、修理している光景をほとんど見かけない。

火事場泥棒とお役所仕事
 こうしたマンパワー不足、モノ不足につけ込んだ詐欺が横行している。ブルーシートを張っただけで20万円とられたというのは気の毒ではあるけれどまだマシで、前金を払ったら何もしないで業者がトンズラという話も聞く。損傷がひどく戸締りできない家屋が多い地域では空き巣が増えているとも。火事場泥棒的なこうした手口に注意を促す防災無線は性能が悪く何を言っているのか聞き取りが困難なことしばしばでイライラは募るばかりだ。
 こうしたなか政府は台風15号を激甚災害に指定する見通しを明らかにし、被害地域への財政援助や被災者への助成が始まろうとしている。
 家屋に甚大な被害を受けた知り合いが最近、公的助成を受けようと相談したところ、最低3社から見積もりを取るよう求められた。見積もり難民化している被災者、見積もりに忙殺されている地元業者に対するいじめとも思えるあいみつ要求で被災地の復旧はさらなる長期化を免れない。

(2019年10月10日号掲載)