オヤジの喜怒哀愁

2019年10月25日号

ボランティアのプロ

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 台風15号と19号で災害が東日本の広い範囲に拡がる中、多くのボランティアが活動している。
 筆者が災害ボランティアというものを初めて知ったのは1995年の阪神淡路大震災の時だった。この年を「ボランティア元年」と呼ぶことがあるそうだ。のちに長野県知事となる作家の田中康夫さんが額に汗している映像を覚えている。2011年に起こった東日本大震災では大勢のボランティアが被災地に入り、がれき撤去をはじめ様々な分野で活動した。
 最近では、18年8月に山口県で行方不明になった2歳児を発見し、スーパーボランティアとして一躍有名になった尾畠春男さんのような人物も現れている。

受け入れ側の問題
 しかし、台風15号の被災者として実際にボランティアの方達と接して感じるのは、ボランティアに参加する側もそれを受け入れる側も不慣れな点が多々あるということである。
 まず問題になったのはボランティアの食事を用意すべきか否か。どんな時でも食数の確定はバカにならない問題だ。基本的に用意する必要はないとは思うものの、その日になってみないとどんな人が来るかわからないので受け入れる方としては悩むのである。
 同様に、女性なのか男性なのか、何人来るのか、なかなか事前に確定しないので、どんな仕事を頼めばいいかがわからない。
 倒木処理やがれき撤去などの力仕事、汚れ仕事は優先度が高いがそれだけ力が要るし危険な作業のことも多い。専門性を持ったプロにしか頼めない場合もある。きょう来てくれるボランティアはいったい何ができるのかというところで頭を悩ますのである。
 贅沢言うな、と叱られるかもしれないが、ボランティアに頼む仕事を探し、人数分の道具を用意し、一緒に作業し、途中から来るボランティアにも対応し、昼食や飲み物の心配をし、転んだボランティアの手当てをし…などとしていると自分の仕事ははかどらないし、一日中何をやっているのかわからなくなってくる。
 一番ありがたいのは、衣食住を自分で賄い、道具と技術を有し、一人でも勝手に作業して仕事をこなして帰って行く自己完結したボランティアで、稀にそういう人がいることにいたく感心するのだった。