オヤジの喜怒哀愁

2019年11月10日号

ラグビー人気

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 災害に沈む心をひと月にわたって盛り上げてくれたラグビーW杯が成功裡に幕を閉じた。テレビ放映は今年最高の視聴率を叩き出し、ファン急増で地域のラグビー教室にはこどもたちが殺到している。この勢いを駆って日本ラグビー界はプロ化へ進むという。
 ラグビーというスポーツは以前から決して人気のないスポーツではなかった。その昔、テレビの青春ものといえばラグビー部というのが定番の時代があった。大学ラグビーの好カードには国立競技場を埋める何万人もの観客を集めた。高校や社会人の全国大会は毎年テレビ放映され、花園や秩父宮ラグビー場には多くのファンが訪れている。しかし、プロ化するためには毎試合コンスタントに観客を集め、試合をメディアに流し、チームを持ってもいいというオーナー企業やフランチャイズを探さなければならない。
 Jリーグのお手本があるとはいえ、ラグビーとサッカーとでは競技人口やファン層も異なり、そのまま踏襲して上手くいくほど甘くはないだろう。2011年W杯優勝で人気沸騰となったなでしこジャパンは、その前まで国内リーグ戦の観客は数百人規模だったものがW杯優勝で一時は万単位を集客できるようになった。勝負事はやはり勝たなければダメなのだ。とはいえ、18年なでしこリーグ1部の観客は1試合平均1400人にとどまり、興行としては採算ラインぎりぎりのところで低空飛行している。ひとの心は移り気なもんだ。

鉄は熱いうちに打て
 せっかく盛り上がったラグビー人気なので、プロ化のスケジュールを睨みながらいまの熱気が冷めないような大きなイベントを随時、打っていくことが必要だろう。鉄は熱いうちに打てだ。当然、代表チームの強化は手が抜けない。
 それと、地道なようだが競技人口を増やす努力が必要だろう。あの楕円形のボールに手を触れ実際にラグビーをやったことのあるひとがいったい周りに何人いるだろう。7人制ラグビーや安全性の高いプレーの奨励で競技参加のハードルを下げる必要がある。
 イベントを華麗なバックス展開とすれば競技人口増は力強いフォワードの前進だ。スコットランド戦前半で見せたプロップ稲垣選手のトライのような前進をラグビー界全体に期待したいものだ。

(2019年11月10日号掲載)