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3M、ロボット研磨ラボ開設

研磨工程の自動化・ロボット化を支援

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 スリーエムジャパン(スティーブン・ヴァンダーロウ社長)は11月13日、同社相模原事業所内に「3Mロボット研磨ラボ」を開設し、報道向け内覧会と記者会見を行った。スリーエムは研磨材ビジネスを祖業として100年超の歴史を持ち、5000種以上の研磨材を取り扱う。その知見と技術を生かし、研磨ラボではロボットメーカーやSIerと協力しながら研磨工程の自動化・ロボット化を支援する。
 ラボには70㌔可搬の多関節ロボット(ファナック製)などを用いた研磨ロボットシステムのほか、測定機器などを設置。最適な研磨工法(研磨材/工具/加工条件)を提案するとともに、SIerがエンドユーザーの非研磨物を持ち込んでロボットシステムの検証も行える。基本利用料は無償で、加工費は実費のみ。
内覧会では大型鋳物(12㌔)の研磨工程のロボット化を2パターンで実演した。①ロボットが研磨ツールを把持して湯口を除去した後、ワークを把持してベルト研磨機で仕上げる、②ベルト研磨機を用いた1工程のみで、湯口除去と仕上げの2工程を完結させ、大幅な時間短縮を可能にする―というものだ。後者ではシャープなエッジを常に維持できる精密成型砥粒「CUBITRONⅡ」を活用。研磨荷重の変動など数値化した加工条件もユーザーに提供でき、品質の安定化に貢献できるという。
 同社研磨材製品事業部の日西勝事業部長は「研磨作業は熟練者の経験と勘への依存度が高く、高齢化や若手の3K作業敬遠などで自動化ニーズが高い。ラボ開設によりロボット+研磨のソリューション開発を加速させ、当社研磨材の売上高を2021年に18年比5倍にまで引き上げたい」と中長期ビジョンを語った。

■コラボで高付加価値化
 会見ではトークセッションで研磨ラボへの期待も伝えた。FA・ロボットシステムインテグレータ協会の久保田和雄会長(三明機工社長)は「ロボット1台で1・5人分、2人分にもあたる付加価値の高いシステムを提供するには、消耗品や周辺機器の知識が重要。ユーザーの求める最適解に素早く到達するためにも、研磨材メーカーの知見に期待が大きい」と話す。東京大学名誉教授の佐藤知正氏(SIer協会参与)は「SIerの持つロボットを使いこなすノウハウと、材料やソフト・ハードの科学的知見が統合されれば、大きな新ビジネスを創出できる」と期待を寄せた。また、ファナック・ロボット事業本部ロボットシステム本部の大塚和久本部長は「活発な意見交換と検証により、ユーザーの不安を払しょくして研磨分野のロボット化を推進したい」と話した。

(2019年12月10日号掲載)