連載

2020年1月25日号

マキナ、地元の大手優良工場を下支え

専用機製作から生産ライン全体の提供

 ポルトガル語で機械装置を意味するマキナを社名にして1990年に創立。来月2月1日に佳節の30年を迎える。社員は一時の3倍ほどに増え現在約40名。
 創立からずっと半導体関連大手などへ専用のマキナ=機械装置を供給してきた。それもプリント基板の搬送・整列コンベヤから、セラミック小物部品の切断装置、リベッティング自動化装置と、開発し納めた機械装置の種類は様々。「スマートフォンの基板搬送から、建築材料モルタルの切断機まで経験しています。PLC制御が得意で、2軸程度の安価な機構でロボットと同じ自動化効果をもたらすシステムも数多く納めました」。
 そう、兼山陽介社長は人懐っこい笑顔で話すが、最主要顧客は先端分野の優良大手。要求仕様がハイレベルなのは想像つく。取材当初は「そんなに多種の装置を本当に作れたのか?」と疑念さえ生じた。
 もしかすると、顧客数が少なくいずれも優良大手であることが、高度な機械やシステム作りに役立ったのかもしれない。顧客は半導体・電子の大手を筆頭に、建材や化学の大企業。ほんの数社で売上のほぼ100%に達する。それも地元にある工場を窓口にした注文がほとんどだ。綿密なコミュニケーションの積み重ねとニーズのすくい取りが「専用機」製作において、その「専用」の部分の技術を高度に育てたものとうかがえる。
 実際、兼山社長は「地元に支えられて今に至っています」と言い、こう続けた。

 「お客様の地元の工場から技術を学ばせてもらい、仕事は受注から検収までが長く、資金繰りが大変ですが、ここは地元の金融機関にしっかり支えてもらっています。周辺の協力会社さんの支えも大きいですよ。今後も地元に根ざし、今のお客様最優先で仕事をします」。

■世界へ、生産ラインを提供
 兼山社長はモノづくりの課題について「厳しさを増す納期への対応」を第一に挙げる。技術面については、「ロボットやサーボモータなど購入品の性能が上がり、当社のノウハウとインテグレーションで応用できることが増えている」と手応えを話す。
 同社のモノづくりスタッフは、CADを扱う設計者が5~6人。機械の製造と組立てがそれぞれ3~4人。工事関係が10人強といった陣容。都度チームを組み、正確でスピーディな専用機製造やライン作りに努める。「設計変更があると組立は出番待ちの暇な状態が続いてしまいます。だから組立のエキスパートに製造や工事を学んでもらい、納期対応につなげています」。
 同社には、一見贅沢にみえる武器がある。リーマンショック直前の08年に竣工した「野上工場」がそうだ。幅15㍍、奥行き40㍍のスペースがあり「この工場は、最大30㍍級までの生産ラインを構築でき、試運転用に使っています」と兼山社長。
 取材時も、生産ラインを構築し、実際に稼動させようとしていた。「いったん組上げ、念入りに稼動チェックし合否判定して、OKならばバラしてお届けします。今のラインはお客様の北欧の工場に行くことになりますよ」。
 ちなみに野上工場は、江戸時代を開くことになった合戦場「関ヶ原」の一角にある。数世紀を経て、同じ場所からモノづくりの最新ラインが世界へ飛び立っている。

(写真=野上工場内。自動化した生産ライン等をいったんここで立上げ検収検査を行なう。)