コラム

2020年2月10日号

 新型肺炎コロナウイルスの猛威が、2次感染、3次感染の症例が出てくるなか世界の人々を震わせている▼自国ファースト・自分ファーストに傾斜し、他との共感力を失いつつある世の中で、ウイルスに対する恐怖に限れば、世界万人が同時共有する状況ともなっている▼ところが、反応が過ぎてバイアス(偏り)が暴走しだすと、やれ咳き込むアジア人を排除せよ、やれ○○帰りの旅行者を部屋に封じ込めろと異国の市民社会の一部で狂気じみた行為が現れているから始末が悪い▼日本にそんな行為が見られないのは(皆無とは言わないけど)誇らしいが、反面、特定旅行者等に対する検査や隔離が、人権擁護の立場から完全に実施されないでいることが、不安と風評を招きつつある▼難しい問題だ。こんな時こそ泰然自若に構えてなどとも言えない。不明な点が多く、事態の悪化だけがおよそ予想されるなか、何かを犠牲にしてでも、自分を家族を国を守ろうとする行為は基本認められるべきと思うが、皆様のご意見はいかがだろう▼それにしても、非細胞性生命体と呼ばれ、細胞もない最も単純な太古からの生き物=ウイルスが、現代人を混乱させているのは皮肉だ▼今後、経済や国際交流に大きな影響を及ぼすだろうし、国家間の関係にある種の禍根を残すことにもなりそうな情勢▼地球上で最高の知力を持つ人類の対策と、振る舞いや行動が問われるけれど、自らを救う為の防御策はしっかりやっておきたい。