連載

2020年2月10日号

FAプロダクツ、日本の自動化技術を輸出産業へ

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 昨年9月に発足した、スマートファクトリーを一気通貫で提供する企業コンソーシアム「チームクロスFA」。その幹事社に名を連ねるFAプロダクツは、コンソーシアム内の「舵取り役」を務める存在だ。同社は製造業における全体最適を踏まえた工程設計や投資対効果を可視化するデジタルシミュレーションに強みを持ち、これまでも数々の工場のスマート化を実現している。
 だが一方で、「まだまだ製造業のスマート化は道半ば」とFAプロダクツの天野会長は語る。「例えば、ねじ締め工程を20本から10本に減らせば、全てねじ締めを自動化すれば後工程がどれだけ楽になるか、といった部分が上流側には見えていないケースが少なくない。だからこそ設計・製造連携を深化して可視化することが重要」。
 製造業における喫緊の課題でもある自動化が、スピード感を持って出来ない理由については、「投資対効果が算定しにくく投資の妥当性を判断できない、関係者が多くて方向性が定まらない、といったユーザーがとても多い」と指摘する。
 こういった見えざるポイントを理論的に数値化し、「本当に稼げる生産設備」全体をプロデュースするのがFAプロダクツであり、開発や設計製造等の領域は、それぞれに強みを持つコンソーシアム内の各社と連携するシステムが構築されている。
 さらに天野会長は「チームクロスFAにおける日本市場はFA技術やスマートファクトリー構築のR&Dセンター、という位置付け。これまでは製造業が、資源の乏しい日本の屋台骨を支え外貨を獲得してきた。SIerも日本の製造業と共に成長してきたが、結局は内需を手にしているだけ。これからはSIerも国内だけではなく、海外を見据えた事業展開が求められる」と話す。

製造業を背負って立つ
 家電をはじめ、かつて日本が得意としていた分野はことごとく国外にシェアを奪われている。ロボットや工作機械などの分野は、依然として日本メーカーが高いシェアを占めているが、今後は家電と似たような状況に置かれる可能性も否定できない。
 「第一次産業革命でイギリスは大きく繁栄したが、ものづくり文化は残らなかった。第二次産業革命は自動車の大量生産に成功したアメリカの勝利。第三次産業革命はコンピュータを制したアメリカの2連勝。いま、第四次産業革命が起ころうとしているが、日本はここで絶対に勝たなくてはならない」
 天野会長が描く日本製造業の「勝ち筋」は、日本の競争力の源泉とも言える、世界トップの生産・製造技術のFA化とその輸出・販売にある。
 「グローバル市場を見据えると、エンジニアをはじめとした国内外の人材育成が急務。チームクロスFAでは、すでにアジア圏を中心とした人材育成・登用を積極的に進めている」
 一方で、国内ユーザー向けにはFA展示施設を栃木、2月開設の相模原に続き「東京スマラボ」を今年中にオープンさせる予定だ。
 「他の拠点もぜひ見ていただきたいが、その導入として東京に展示拠点を設けてユーザーへアピールし、理解、興味を深めたい。様々なメーカーにご賛同、ご協力頂ければと考えている」
 「日本製造業の復権と第四次産業革命の覇者」になる、という途方も無い志を抱く天野会長。「勝手に『日本代表』を名乗っているだけ。大好きな製造業が他国に負けるのは我慢できませんから」と笑顔を見せる。

(写真=綿密なデジタルシミュレーションで設備を最適化)