連載

2020年2月25日号

東邦大信、止まらない高速生産ラインづくり

納豆パックは業界最速へ

 食品スーパーでよく見かける納豆パック。多くは発泡スチロール製の容器入り3つをセットにして、フィルム包装が巻かれている。包装の印字はきちんと正面を向き、価格は50円に近づいてきている。
 「我々の技術はその立役者の1つとして自負している」
 食品機械や産業機械などのシステム設計・製作を担う東邦大信(愛知県名古屋市)の細野安幸社長はそう話す。食品業界をはじめとする様々な業界での納入実績とノウハウをベースにしたオーダー製品のほか、コンベヤ・リフト・検査機の製造・販売やメンテナンス事業も手がける。売上高は2019年度の約13億円から「近く30億円を目指す」。でたらめに高い目標を掲げているわけではない。設計からアフターサポートを含めたトータルソリューションを提供できる力をつけてきた自信の表れだ。
 たとえば納豆大手に納めたパック製造ラインは、包装工程でAGV(無人搬送車)を活用した自動運搬工程を採り入れ、薬味の投入やフィルム貼り、印字、箱詰め、パレタイジングまでの工程をすべて自動化し、これを高速スピードでこなす。食品は異物混入を絶対に避けねばならないので、「金属探知やX線など検査工程も要所要所に含む」うえでだ。こうした高い技術と品質をウリに、信用力を重視する自動車や電機のティア1からの要望にも応える。「私たちの技術提供は業界を選ばない」と細野社長は言う。

 世界に1つの装置
 設計担当者は10人と全社員の14%を占める。このうち機械設計担当が9人、電気設計担当は1人。電気設計者も10人に増やそうとしているのは、「これからの顧客ニーズに応えるためにはメカだけでなく電気による制御が重要なファクターになっており、さらなる技術革新が求められる」からだ。革新により納豆パック製造ラインの生産能力倍増に取り組む。「これが実現できれば他のユーザーへの横展開も可能になる。そのゴールは見えてきた」と言う。スピードだけならハードルはそう高くないと言うが、品質・確実性を維持し、かつ装置の設置面積を抑え、またエネルギーロスの少ない駆動に変えることにも取り組まねばならない。「チャレンジングな目標だが、できないとは言わないようにしている。必要ならロボットを導入して立体的な運び方を考えるなどして世界に1つのいいものをつくっていきたい。お客様の仕様はそれぞれ。難しいからこそその生産技術を当社に任せてくださいと自信をもって言いたい」。
 顧客のニーズとして近年多いのは、ラインを止めないことだそう。生産スピードが高まれば高まるほど止まった時の損失が大きくなるからだ。同社本社のショールームに梱包システムがある。段ボール板を製函し、多関節ロボットで製品をピッキングして箱に納入し、箱を閉じてテープで封をしてコンベアで運ぶというもの。テープなどの副資材の供給装置にも力を入れる。
 「副資材が無くなりラインが止まってしまうことがないよう広い観点で技術革新を図っていくことが当社の独特の着眼点と言えるかもしれませんね」  

(2020年2月25日号掲載)