コラム

2020年3月10日号

 工作機械世界トップ級のメーカー社長とたっぷり差し向かいで取材する機会に恵まれた。話に花が咲くなか、関心事として当人が熱く語ったのは自動化についてだった▼時間軸で見た自動化の動機の変遷や、諸事情で異なる市場の自動化要求などをひとしきり。現場営業を重ねた経験を下敷きにしていて説得力がある▼平たくまとめると、自動化にも様々があり、例えば上昇する人件費対策としての自動化投資。品質を一定にするための自動化。個人の技能を形式知に切り替える為の投資もあれば、人手不足を補う為の自動化も多い…▼けれど、今後のキーワードはRPAだと社長は言い切った。ここでのRPA=ロボティック・プロセス・オートメーションとは、製造業のホワイトカラー業務を、専門ソフトを組み入れたロボットやシステムに置き換える取組みを指す▼この企業は既に自社工場でRPAを実現しており、検証を経てシステムを市場に問う日は目前だそう▼加工プログラミングをオフィスで自動生成し、離れた工場のマシンを自在に動かす―そんな環境を提供するようだ。社長は「自動化提案においてこれが当初からの夢だった」と話す▼ソフトが可能にする世界は青天井で急速に広がっているが、そのぶん陳腐化も早く、認知されるまでの時間を待たず、次なるソフトが話題になるといった面さえある。信頼のハードと結びつくことで、こうした次世代ソフトや技術が市場に根付くのを期待したい。