コラム

2020年4月10日号

 赤あげて、白あげて、赤さげて、白さげないでぇ、白さげる♪―ご存知、旗あげゲームの口上だ。新型コロナウイルスとその対策を巡る昨今の「情報」が、この口上に似ていると思う▼と書けば不謹慎と怒られそうだが、先行き不透明なんかではない、明日の、目の前の社会がどうなるか、措置なりが出てどんな日常になるのか、旗あげゲームのように読めず、情報の渦に振り回される日々だ▼デマや根拠なき情報も大量に出回り社会や人々を惑わしているが、逆にふと、新聞など旧来の報道が対応できない事象が増えていると感じることもある▼報道は「裏取り」―記事の内容が正しいかの確認作業を行う―が基本であって、今でいえば「○○国が言う新規感染者ゼロは大嘘」(ネット情報より)などとは書けない。取材規制から裏が取れず、せいぜいそんな指摘があると報じるしかない▼反論はあるだろう。が、現実を見ても、旧来型の報道は特番などを除き内容が似たり寄ったり。新型ウイルスに関係なく、最近はある種の週刊誌や、ネット報道、SNSから事実やヒントが出る例が増えている▼ネットはウソ、新聞が正しいといった幼稚な二元論を卒業し、両者の溝を埋める形でもっと情報を活かすべきと思う。報道の端くれにいる弊紙にとっても課題だ▼冒頭の旗あげゲームは、ちょっとしたストレスを楽しむところに面白さがあるが、今は、情報過多の世をむしろ楽しむという、余裕を持つことも必要かもしれない。