オヤジの喜怒哀愁

2020年5月15日号

新しい日常

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 新型コロナウイルスCOVID-19感染症のパンデミックで売れたものといえば、マスク、アルコール消毒液、使い捨て手袋、防護服、RNA抽出キット、それにZoom。
 大型連休中にバンド仲間からZoomでセッションをやろうと連絡があった。高校時代にバンドを組んでいた連中と数年前から年に1、2度スタジオを借りてセッションしている。今回は残念ながら緊急事態宣言下でお流れになった。みんな自宅で持て余しているようで、やろう、やろうということに。日本国内在住4名、チリ在住1名の計5名が参加。
 イメージとしてはYouTubeで見かけるPlaying For Change。世界各国の都市から様々な人種の様々な楽器の奏者が同じ楽曲を演奏する。あるいは、最近、ローリングストーンズがやはりYouTubeにアップしたOne World Together At Home。ストーンズのメンバーが自室でそれぞれに演奏してYou can’t always get what you wantという曲をネット上でセッションしている。我々のセッションは日本時間11時、チリ時間22時にスタートした。

ハッピーアワー
 国内組はともかく、地球の裏側のチリとのレイテンシーが心配された。衛星中継などでよく見られるこちら側と向こう側の微妙な時間のズレである。しかし、これはとりあえず許容範囲であった。問題は5人の楽器の音を共有できないこと、楽器の音が途切れることだった。
 Zoomは主に会議用として開発されたためか、音については喋っている人が優先されるようになっているようだ。映像はずっと映っているが、誰かの音が優先されると誰かの音が消える。それと、高音や低音、伸びる音はノイズと識別されてカットされてしまう。中音域の人の声やギターは割りとよく聞こえるがベースや打楽器の音が聞こえなくなることが多かった。
 そんなわけで、ストレスのあるセッションになったのだが、自宅に居ながらにしてみんなの顔が見え、音が聞こえるというのはやはり画期的なことでビール片手にハッピーな時間を過ごすことができた。コロナ新時代の新しい日常がスタートしたように思うのだ。ただし、会議用ソフトとしても声の大きい人や口数の多い人がズームされてしまうというのは、まだまだ発展途上、開発途上なのではなかろうか。

(2020年5月15日号掲載)