連載

2020年5月25日号

サンエイエンジニアリング、制御のプロとして一貫供給

自動車を納めるようにロボット納入

 「うちのロボットシステムはピッカピカにして納入しますよ。お客様に喜んでもらえるのが嬉しいので。車を納めるときと同じですね」
 スーツを颯爽と着こなす水野淳一郎社長はできる営業マンといった風だ。話し方も実に爽やか。自動車ディーラーの営業マンだったと聞いて納得した。前社長の娘婿として入社、社長に就いて7年目を迎えた。
 サンエイエンジニアリング(広島市、1972年設立)は社員11人と小規模ながら、熱間鍛造プレス搬送やスポット溶接、大型搬送(可搬2.3トンも)などのシステムのほか、自社製ビジョンシステムを使ったシール剤塗装装置など多様な自動化設備を手がける。年間納入数は主力のシステムインテグレーション事業ではロボットベースで約15台、艤装事業(商社が用意したロボットに電気・エアー系統やハンドを付けて使える状態にして納入)を含めると80台ほど。国内外の出荷は半々という。これらが売上全体の8割を占め、残り2割はビジョンシステム販売とメンテナンスが占める。
 1972年にダムや河川ゲートの水門設備制御設計・施工から事業を始めた。いわば制御のプロだ。1984年に自動車車体ライン向けに米シンシナティーミラクロン製ロボットを納めたのを機に産業用ロボットを扱うようになった。かつてTHKの直交ロボットをシール塗布に大量に納入。これが売上の半分を占める時代もあったが、リーマンショック後はほぼゼロに。今は主にファナックや安川電機の多関節ロボットを扱う。
 制御のプロとして現地工事を含め一貫して供給責任をもつ。「そうでなければ(少人数の)当社のような会社が長く生き残れない。お客様と一緒になっていいものをつくろうというスタンスですね。サンエイに任せてよかったと言っていただける弊社のファンをたくさんつくりたい」と水野社長は笑う。

 画像処理技術を融合
 自動車向けの仕事が多く景気の影響を受けやすいため、三品(食品・医薬品・化粧品)業界向けにも働きかけようとしている。会議室の一角にはヨーロッパ製のシンプルな小型アームが置かれていた。「これはメーカーさんからの借り物でまだ実績はないが、協働ロボットにも取り組まねばなりません」と先を見据える。
 近年需要が増えているのはビジョンシステムという。「通い箱に入っているワークを取り出して整理して加工するという作業の自動化はこれまで大企業で行われてきたが、中小企業にも広がってきた」と言う。社内にデモ用ビジョンも常備し、ロボットを組み合わせた動作検証は早ければ3日間で実施できるそうだ。
 会社の規模こそ大きくはないが、ファナック製ロボットの扱いでは最古参にあたる。工場にはテスト用ロボットが大・小2台常設され、これでユーザーの使い方を徹底的に確認する。
 「当社内でひと通り動作確認をして膿を出しきってから納めるので、現地での工事期間は短いですよ。ですから納入後にトラブルが発生する、ということはまずない。これがウチのいいところでしょうかね」