PICK UP 今号の企画

モノづくりのこれから~変わる現場とデジタル活用~

広がる自動化提案、ロボット連携で柔軟に

―今号(9月10日号)の紙面特集より、モノづくりのこれから~変わる現場とデジタル活用~を掲載―。
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 ヒトの動き、モノの流れが大きく変わり、これまでの働き方を見直す好機が到来した。足元の設備投資こそ停滞しているものの、グローバル市場の競争激化、確実視される生産年齢人口の減少など、将来予想される課題に対して手を打たなければならないことに変わりはない。
 有効な手段の一つとして、AIやセンサーなどの技術発展に伴い、ロボットも身近な存在になりつつある。工作機械との親和性も高まり、生産体制に応じた柔軟な自動化の構築も容易になった。データに基づいた分析から最適化につなげるIoTのサービスやシステムも増え、「コネクティッドインダストリーズ」が目指すモノづくりの革新が進んでいる。
 そういった動きも踏まえながら、2号にわたる連続特集としてモノづくりと生産財の「これから」を追った。前半の10日号では、キーマン5人のインタビューとともに、工作機械を中心に提案・技術動向を掲載。続く9月25日号では「デジタル・トランスフォーメーション(DX)」を基軸に紙面を展開する。
 将来予想される生産年齢人口の減少に備えつつ、生産性を高めていくことが、日本の製造業に一層求められる。つまり「自動化」だ。とくにワーク搬送はその最たるものだろう。パレットチェンジャ、ローダーに続く、新たな手法として確立された工作機械と多関節ロボットとのパッケージ提案に着目した。
 当初懸念されていたティーチングなどの操作性はほぼ解消され、ソフトウェア上で教示が可能に。生産ライン、計画に合わせた使い分けやレイアウトの柔軟性を武器にした製品が目立つ。
 ヤマザキマザックの旋盤用自動化システム「TAシリーズ」は、ストッカのガイドバー取り付け位置を変えることで、小径から大径まで様々なチャックワークに対応する。オプションで両面加工やシャフトワークの対応も可能。ストッカは素材と完成品の段積みができるため、長時間の自動運転に対応できる。
 対話式CNC装置に搭載された専用ソフトウェアのガイダンスに従ってワーク形状を入力するだけで使える。最大重量7㌔、14㌔、26㌔グラム対応の3機種をラインナップした。
 ワンユニット化されたシステムのため、ハンドリフトで簡単に移動できるのが利点。移動後はロボットと機械位置の関係を心出しするだけで据付ができ、必要に応じて簡単に取り付け・取り外しができる。「複数台の同一TA対応機械で共有して使用できる」(経営企画室)という。
 NC旋盤の加工室内に、多関節ロボットを干渉なくビルトインさせたのは、オークマが次世代ロボットシステムと位置付ける「ARMROID」だ。始点と終点の入力だけで、アームの最適な動作経路を自動生成。パルスハンドルで微調整するなど、「工作機械と同じ操作感で使用できる」(マーケティング室)ロボット操作系が特長だ。
 最大可搬重量は10㌔グラム。シャフト、フランジワークにも対応する。ワークの着脱だけでなく、ビビリ抑制、切削除去、機内清掃を自動化したのも売りだ。
 昨秋から複合加工機「MULTUS B250Ⅱ」との組み合わせもスタートさせている。複合加工機との完全融合は世界で初めてという。直径150×厚み30㍉のフランジワークを50個保管できるストッカも用意したことで、5時間程度の自動連続運転を可能にした。
 ブラザー工業のローティングシステム「BV7―870」は、コンパクトマシニングセンタ「SPEEDIO」の専用オプションとして、4軸垂直多関節アームによるワークの着脱に特化した。
 可搬重量は7㌔グラム。機械側面に設置し、アーム部分だけで幅300㍉に抑えている。左右どちらでも設置可能。ローティングシステムの走行軸で側面扉を自動開閉する構造とした。NCとの配線を不要にし、信号内部接続を済ませた状態で納品する。機内に配管・配線を収納した設計で、ハンド用バルブも標準搭載している。
 担当者によれば、「システムインテグレータの分担領域を減らすことで、コスト削減と納期短縮を可能にした。自動扉や架台も不要なので、検討内容が治具やハンドなどの周辺機器だけになる。構想設計、設置、組立などのシステムインテグレーション費を抑えることで一般的なロボットシステムに比べて半額程度になるはず」と話していた。
 芝浦機械は、ロボットとの親和性が高い製品として、超精密マシニングセンタ「UVMシリーズ」を挙げた。精密機上測定技術を応用したワークの基準出しに加えて、ワークに合わせてタッチセンサや顕微鏡が選べる。
 拡張性と自由度の高さを生かして、2019年頃から客先工程に合わせた自動化システムの提案・構築を開始した。可搬重量は約5㌔グラム。納入済みの顧客からは「高評価」という。
 OKKは、既設機にも後付けが可能なロボットパレット交換システムを今年10月に発売する予定だ。可搬重量は10㌔グラム。NC画面のM/Gコード、パルスハンドルで操作する。「既存の機械にも対応できる、簡単操作で手軽に導入可能なパッケージ製品」として投入する考えだ。

放電、研削でも

 放電加工、研削の領域でも、ロボットによる自動化は着実に進んでいる。ソディックが形彫り放電加工機との組み合わせで提案しているのはロボットシステム「AL40G/AL60G+SRC80」だ。一般的なITS148パレットを用いたワークは総重量40㌔グラムまで搬送可能。UPCパレットの場合、特殊仕様として80㌔グラムまで対応する。
 ロボット、ワーク、電極の棚が一体化している構成。「基本的には加工機本体と位置合わせはサービスマンが行うため、お客様がティーチングなどを意識する必要はない」(マーケティングセンター)とする。
 放電加工機は、多品種少量に該当するパターンが多いそうで、「加工位置、加工条件、電極にオフセットなどの情報を組み合わせる必要があり、ソフトウェアもパッケージに組み込むことで初めてお客様に貢献できるものになる」という。
 アマダマシナリーは、昨年10月に発売したオプティカルプロファイル研削盤「GLS—150GL UP」モバイル・ストッカーロボット仕様の提案に力を入れている。自動運転による荒・中仕上げ加工と、人による仕上げ加工を1台に集約。砥石とワークの自動交換で、長時間の連続自動運転を可能にした。
 可動式のロボットとストッカーを採用することで、レイアウト変更に柔軟に対応する。工具とパレット数の組み合わせ、ストッカー内の配置レイアウトの自由度が高くなることから、幅広い要求に応えることを狙った提案だ。
 岡本工作機械製作所の担当者は、「全自動加工ができるソフトを提案し、どのようなワークがきても対応できるように準備している」と話す。客先専用に自動化ラインを想定することが多いためで、「専用自動化ラインを購入されたお客様は超精密の自動化を多額の資金で実現したが、満足されている。パレットチェンジャ、砥石自動交換・洗浄装置なども含め、お客様によって自動化の内容が異なっている」とした。