コラム

2020年9月25日号

 有形から無形へ?企業の固定資産に占める無形固定資産比率を巡って、エコノミストなどから分析や意見が相次ぐ▼無形固定資産比率上位企業の競争力の高さが指摘される一方、同比率が極めて低い企業も各産業で一定数を占め、その顕著な差を問題視する向きもある▼無形固定資産は、文字通り形の無い資産。特許権や商標権などを指すが、今はそれら以上にデジタル投資がもたらす資産が中心になりだした▼ここに着目し、無形固定資産比率の上昇推移から民間企業のデジタル化進展を推測する手法もでているほどだ▼かくして、現況は有形資産(土地・建物・設備等)よりも、DX(デジタルトランスフォーメーション)投資などで蓄積される無形資産に目が向くが、さらにこれは、コロナウイルス蔓延の影響を受けたテレワーク環境構築やオンラインビジネスの必要によって後押しされ、推進役のエンジンがダブル、トリプルで並ぶよう▼それでもまだ、うねりは緒に就いたばかりだ。そもそも国を挙げてデジタル化推進を謳うが、日本政府の無形資産への投資割合は先進国中、最下位クラスとの事実もある。裏を返せば、生活インフラなども含め、今後もっともっと変わるということだろう▼ただ一つ、デジタル化は否が応でも進むし、対応待ったなしだが、どう生きるか、どんな未来を創るかという意思は持ち続けたい。デジタル化で失うものの多くは、もう永久に戻ってこないはず、と書けば悲観過ぎるけれど。