連載

2020年9月25日号

チームクロスFA、次世代型「進化を続ける製造ライン」

東京のど真ん中でDXを体感できる

 ロボットSIerを中心に、製造業のDXを推し進める企業コンソーシアム「チームクロスFA」が9月、「SMALABO TOKYO(スマラボ東京)」を東京・千代田区にオープンした。
 周囲には数多のオフィスが立ち並ぶ、いわば「東京のど真ん中」。チームクロスFAにおいて運営、コンサルを行うFAプロダクツの天野眞也会長は、「製造業や物流業の経営層の方や、政策の立案・実行に係わる政治家、公的機関の方、情報発信を行うメディアの方たちが気軽に訪れることができる利便性の良さを意識した」と、同地にロボットシステム展示施設を立ち上げた理由を語る。
 スマラボ東京の目玉はコンセプトライン「DX型ロボットジョブショップ」の展示だ。リアルな革新的生産ロボットシステムとデジタルの連動で実現する次世代の製造ライン。「ジョブショップ」と呼ばれる治具レス・位置決めレスで機能別に配置された生産工程を、多関節ロボットやAGVを組み合わせて稼動させる。
 チームクロスFAの技術開発を統括するオフィス・エフエイコムの飯野英城社長は「今までの専用生産ラインの様に固定的に大量生産するのではなく、市場変化に対応した最適な生産設備を簡単に組み換えたり追加できる、アジリティに優れた生産ラインが『DX型ロボットジョブショップ』。自律制御による最適生産と環境変化に応じた柔軟な生産の組み換えを実現する」と説明する。
 大きなポイントとなるのがシミュレーションの活用だ。「動作シミュレーション」では、製品設計・工程設計の生産前の事前動作検証や作業性の検証など、バーチャル上での生産ラインを精査した上で、リアルな生産ロボットシステムと連動させる。
 「生産シミュレーション」では生産計画をバーチャル上で実行し、検証の上で導かれた最適値と統合MES(生産・物流・品質・保全)を連携し、状況変化に応じた、生産スループットやエネルギー効率などの最適化精度の向上を実現する。
 「製造現場の実績データは随時データレイクに蓄積され、そのデータをもとにAIが学習を深めることで、最適動作がさらに磨かれる。すなわち、工場を稼働するほど企業変革力が強化されていく『進化する生産ライン』の構築が可能になる」(飯野社長)

■コロナ禍でも引き合い増加
 そのほか、ライン上に乗せた弁当の容器に、独自のハンドを取り付けた多関節ロボットが唐揚げをピッキングし、盛り付けていく「お弁当盛り付けロボットシステム」。東京大学・松尾研究室が開発に協力した、千切りしたキャベツをAIが判別し、最適な量を取り分ける「AIピッキングシステム」など、来場者は産業用ロボットや各種デジタル技術を組み合わせた生産ラインを実際に見ることができる。
 「スマラボ小山(栃木県)はオープンから2年間で約1200社の方々にご来場頂いたが、スマラボ東京はもう少し限定した来場者像を描いている。変化を恐れずに一歩を踏み出そうとする企業担当者や、自社のDXを加速させるための技術やアイデアに出会いたいと考えるようなイノベーターにぜひお越しいただきたい。コロナ禍で設備投資が鈍化していると言われているが、そうではない。むしろ危機感を強めた様々な業種の方々からの相談や依頼がチームクロスFA全体で増加している」(FAプロダクツ・貴田義和社長)。
 見学はスマラボ東京公式HPから申し込み可能となっている。

(写真=コンセプトラインの「DX型ロボットジョブショップ」)

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