連載

2020年10月10日号

ブリッジ・ソリューション、コンサル主体にFSの手前から貢献

活動が複雑に絡み合う

 時給を上げても人が集まらない。自動化したくてロボットメーカーに相談しても「たったの1台?」と呆れられる。販売会社に聞けば役に立たないロボットを買わされる-。
 そんな悩みをもつ中小製造現場にお勧めしたいのがコンサルティングを主体とするロボットSIer、ブリッジ・ソリューション(大阪市住之江区)だ。他の多くのSIerはロボット案件になったものを受けることが多いが、同社はFS(実行可能性調査)の手前から関わるのを特徴とする。
 「私たちは大手企業さんの『生産技術部』のような会社。工場を見たうえでどこが自動化できるのか。ロボットを導入するのがいいのか自動機を使ったほうがいいのかを文字どおり1から考える」
 坂本俊雄社長は自社をそう表現する。協働ロボットの扱いを得意とするが、ロボットはFAのコンポーネントの1つに過ぎないという考え方が基本。「業界関係者にこの視点が欠けているから、中小製造業にかえってロボットが普及しない。ロボットメーカーが売りたいものとユーザーが必要とするものは得てして違う」。
 ブリッジ・ソリューションは2017年3月、大阪市と大阪産業創造館が立ち上げた組織から発展したプラットフォーム「iRooBO」(坂本氏が会長を務める)の会員の3人が立ち上げた。設立の目的は中小企業への自動化支援と、ビジネスと捉えられないことが多かったコンサルを事業として有償化すること。現在社員9人と小部隊だが、制御系、電気系、機械系の各分野の専門家を揃え、協働ロボットやFAシステムを年に数台ずつ納める。3次元CADで提案した治具を3Dプリンターで積層造形して客先に納めることもある。
 坂本社長はほかにも顔をもつ。次世代FAの人材育成拠点「IATC」のコーディネーターとして、生産現場の現状をヒアリングしライン設計から機器選定、導入、稼働監視までをトータルでサポートする。ここでビギナー向け講習会の講師を務めた縁で、たとえば電線を小分けする自動機をブリッジ・ソリューションで受注するなど活動が複雑に絡み合う。

大企業案件が増加
 電線会社(社員約100人)や塩ビペレットメーカー(約50人)、偏光レンズメーカー(約40人)など中小企業案件の取り扱いが多かったが、昨年あたりから大企業の無人化やスマート工場化の相談が増えているという。「大企業がもつ生産技術部隊だけでは今の時代に適した工場の改変が内製化しづらくなっている。社内技術者の技能伝承ができていなかったり、中国に工場移転したりしたことが原因ではないか」と坂本社長は見る。
 今後は同社が培ったロボット技術にAI(人工知能)を使った画像処理(物体認識)を組み合わせたいという。「従来の画像処理は白黒の2値化をして面積・輪郭を抽出して認識することが多かったが、朝夕の自然光の変化などで誤認識することがあった。AIを使う方法はロジックを組まず、画像そのものをひたすら覚えさせるので光の影響を受けにくい」。諦めていた、人の目による認識に近い画像認識がディープラーニングによって実現できそうだ。