トピックス

特許権利は企業に、特許法改正案が閣議決定

知的財産保護も強化

 kaisei03

 政府は知的財産の適切な保護・活用により我が国のイノベーションを促進することを目的に、社員が日常の職務上の研究により得た発明について、特許の取得権利を、「開発を担当した社員」から「開発した企業」に変更することを骨子とした特許法改正案を3月13日の閣議で決定。通常国会での成立を目指す。
 改正案では、権利帰属の不安定を解消するため、特許の権利は、発生時から企業に帰属するほか、開発担当の社員は、企業に対し、勤務規則や報酬等を受ける権利を有する―ことを明記し、義務付ける。経済産業大臣は、発明奨励のため、 産業構造審議会の意見を踏まえ、相当の金銭その他の経済上の利益内容を決定するための手続についての指針を定めるとしている。
 また、特許法、商標法、国際出願法等での特許料についても改定し、(1)特許権の設定登録以降、各年において10%程度引き下げる(2)商標登録料を25%程度、更新登録料について20%程度引き下げる(3)国際出願に係る調査等については、明細書および請求範囲が日本語または外国語で作成されている場合に応じ、それぞれ手数料の上限額を定める―等を行うほか、特許法条約、シンガポール条約(商標)に加入するべく、国で異なる国内出願手続の統一化や簡素化等、国内法での規制緩和等の規定整備を行う方針だ。

不正競争防止法改正案も
 政府はまた、企業の「営業秘密」が国内外に流出する事件が顕在化、被害金額も高額化し、手口が高度化している事態に対応するため、営業秘密侵害行為に対する抑止力の向上等を刑事・民事両面で図ることを目的に「不正競争防止法」の改正案も決めた。
 抑止力の向上では、罰金額の引上げと犯罪収益の没収等を行うほか、日本企業の営業秘密を海外で使用し、営業秘密を取得・漏えい行為については、雇用や下請け企業への悪影響に着目して重課(海外重課)する。具体的には、海外企業が日本企業の営業秘密を窃取・転売・使用した場合の罰金上限を現行の個人 1千万円 を、2千万円(海外重課3千万円)に。法人の場合は現行3億円を5億円(海外重課10億円)に引き上げるほか、犯罪収益の没収規定(個人、法人)および手続規定(保全手続等)を設けるとしている。
 また、携帯情報端末の普及等のIT環境の変化に対応し、(1)不正開示が介在したことを知って営業秘密を取得し、転売等を行う者を処罰対象に追加(現行法では、処罰範囲は営業秘密を不正に取得した行為者から直接に開示を受けた者に限定)(2)営業秘密の海外における取得行為を処罰対象に追加(海外サーバーに保管されている日本企業の営業秘密の取得行為等)(3)営業秘密侵害の未遂行為を処罰対象に追加する―など、営業秘密侵害罪の処罰範囲の拡大・整備も行う。