コラム

2015年3月25日号

 知人の為替ディーラーが一週間後を「遠い未来」と言い切ったことがあった。朝、相場の地合いから当日のディーリングについてあらかたを思い描き、場が立つと、売買状況をみて数時間先、数分先のポジションを決める。その上で瞬時の判断で売買を続ける。「長期戦略も立てるけど、その日の午後が対象かな」。彼が冗談めかしてそう言った記憶がある▼まあ、そんな目まぐるしい時間の流れも含め、仕事でも人生設計でも、多くは短期、中期と分けて計画し実行するものだろう。たんに突っ走るだけで成功することもあろうが、だいたいは複数の時間軸で計画しないとバランスを欠きうまくいかない▼ただ、いつを指して短期とするか、中期とするかは人や組織で異なる。為替ディーラーのそれはとても短いかもしれないが、一般企業の中期計画だとターゲットは概ね3、4年先か。長期視点で「百年の計」をはかる組織だって探せばあるだろう▼ところが、組織や人で異なる様々な目標時期が、まるで皆既日食や惑星直列のようにピタリと重なることもある。当面をいえば東京オリンピックの2020年だ。20年を目標年度とする産業プロジェクトが続出し、4月からの新年度は更に増えそうな気配。これらのプロジェクトは、周囲を巻き込み、20年に向けて駆り立てる▼ベクトルを合わせた動きは凄いエネルギーになって湧き出るはずだ。個人も無関心でいられない。どうせなら主体的に、遅れずワクワクと、自らも2020年プランを立ててみたい。