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牧野フライス製作所、形彫加工機用「新電源」開発

離型性を向上させる機能も

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 牧野フライス製作所(牧野二郎社長)は、形彫放電加工機用の新EDM電源「ES100A」を開発したと発表した。4月15日から東京ビッグサイトで開催のインターモールド2015で初披露し、営業活動を始める。出荷開始は今年9月を予定。
 主電源と副電源を設け、これを新制御で同期させるというシステム構成。これにより「理想的な放電波形を生成でき」(同社)、深リブ加工の効率を飛躍的に向上させる。リブ形状の荒加工時間はグラファイト電極使用時で約50%短縮。さらに昨秋発表したジャンプ(Z軸動作)を高速化する新技術「HS-Rib(ハイスピードリブ=オプション)」との組み合わせで65%短縮する。速度の向上はグラファイト電極において最大化するが、銅電極の場合でも「新電源のみで15%程度の加工短縮が見込める」(EDM R&D本部)とのこと。電極の消耗は従来とほぼ同等で「検証ではゼロコンマ数%、消耗率が上がったが、これは誤差の範囲といっていいレベル」(同)という。

●離型性アップ、金型の形態変える?
 もう一点、特筆すべきは、2012年にICモールド向けに開発し、同分野で実績を上げてきた技術を新電源に搭載したことだ。加工面に現われる「放電痕」の間隔(Rsm値)を広げる技術がそう。
 放電加工面は一般に梨地と呼ばれ、ちょうど髪をすく櫛のように「山と谷が密接して連続する形状になっていた」。対して同社の技術は、放電痕の間隔(山と山の距離)であるRsm値を数倍に伸ばし、緩やかな波形に変える。結果として表面形状は花びらのような形状になる。
 同社が「フラワーパターン」(=写真)と名づける形状によって、金型は表面が汚れにくく(プラ型の表面につく酸化樹脂が激減)、金型の清掃時間が短縮可能。清掃サイクルも大幅に伸びて成型の生産性向上に貢献する。さらに磨きの困難な狭小リブ加工に活かせる為、型を割って磨けるようにするといった工程が不要になる。同社では「設計段階から金型づくりの形態を大きく変える可能性がある」(同)としていた。また成型ショットサイクルの高速化につながる可能性があり、今後検証を進める考えだ。
 操作画面は一新した。15インチから22インチへパネルサイズを広げる一方、操作順にボタンを並べるなど使いやすさを追求した。加工結果を向上させるアドバイス機能も入れた。
 電源本体価格は従来と同じに据え置く。新電源への移行により放電加工機の外観、カラーを一新する。
 スマートフォンやウエアラブル端末、車載用などの小物電子部品の外装用金型向けなどにアピールする考え。増加する狭ピッチコネクタの分野も狙いたいとしていた。