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相次ぐ小径ダイヤコート

「直彫り」刃物がますます充実

 yunion普及しているとは言いがたいが、広く認知されるようになってきた「直彫り」。冷間鍛造や圧造用の金型材などに用いられる超硬合金の加工を、従来の放電・研削の代わりに切削でやってしまおうとする取り組みだ。工作機械はある程度汎用性をもたせる必要があるため直彫り専用機というものはないが、刃物の方は明らかにこの分野を狙った製品が充実してきた。4月18日まで東京で開かれた金型加工技術展「インターモールド」で披露された新製品に注目した。
 守備範囲とコストパフォーマンスの観点から直彫りに有効と関心を集めるのはダイヤモンドコーティング(DC)ボールエンドミルだろう。仕上げの手前までの広い3次元形状領域をこなす。DCボールで先行するユニオンツールは除去容積を従来品より3倍多くした、最大切込量0.1ミリの2枚刃品「UDCBFシリーズ」(標準とロングネック)に小径タイプを同展に合わせて追加した。これによりR0・1~1ミリまでの計57型番を揃え、「時計、カメラ、コネクター、超硬チップメーカーさんの短納期金型は削った方が高能率という声が出ている」と言う。コーティング品でもシャープな形状と硬度を保ったことが強みだ。

  マルチなPCDへ
 日進工具もR0・1~1ミリの12型番のDCボール「DCMB」を揃える。ただ、DCボールは一般にすくい面の被膜剥離や工具寿命で課題があり、そこを改善しようと目下、開発中という。同社の強みはナノレベルの面粗さを実現する仕上げ向け多結晶焼結ダイヤモンド(PCD)ボールを併せもつことだろう。現行の「PCDRB」はR0・05~1ミリの10型番ラインナップするが、「超硬材だけでなくセラミックやアルミナといった他の硬脆材でも鏡面加工できるようなマルチなPCDを開発している」と明かす。その試作品でYXR-3(HRC65)やELMAX(58)など4つの異なる難削材を鏡面加工したサンプルを披露した。
 三菱日立ツールは剛性のある多刃形状が特徴のPCDスクエア「EPCDS」(R0・05~0.5ミリの8型番)を昨秋発売しこの分野に参入。今月からはPCDボール(R0・2~0.5ミリの4型番)の受注生産を始めた。同社はCFRPなど向けのDC品はもつが、超硬材をターゲットとした製品は今のところPCDのみ。「商品ラインナップとして鏡面仕上げが可能なPCDだけでいいのかどうかはまだ研究中」と品揃えの拡大を匂わせていた。

(画像=ユニオンツールがダイヤコート品で直彫りしたベベルギア金型)