コラム

2015年4月25日号

 取材時に意見をすることはよくある。本音を引き出す為にピリッと刺激を与えるのは効果的などと思うからそうするのだが、一歩間違えるとドツボ。君は意見をふっかけに来たのか、私の話を聞きたくて来たのかどっちなのか。取材というから受けたのであって、君と議論する暇などない。ある時は思わぬ怒りを買い、原稿もすっ飛んだ▼しかし、ひと通り聞いてナルホドとうなずくだけではつまらないし本音も見えてこない。こういう見方もあるが、ああいう考えは認めないのか…。ナンダカンダと会話を進めるうち、その人の考えなりの幾分かが短い取材時間に生で出てくると思う▼最近、あるサポートインダストリー団体の幹部に取材する機会があった。日本製造業に今も国際優位性はあると思うかと聞くと「日本の会社は受注すると顧客の為に全力を尽くす。海外だと7割の出来でよければ7割以上のことはまずしない。それこそがビジネスだと彼らは捉えている。この差が製造物の良し悪しや、顧客満足度の違いに現われる」そのように返ってきた▼独断的のようだが当人は総論として語っており、感覚的によく分かる気もする。しかし「また日本人特殊論になるのでは。それに、国内のモノづくりも随分ドライになっているようです」と質問を続けた▼話は本題を逸れ、ドライで過酷な下請け叩きの現状に移った。「中小も回復」という政府等の発表とは異なる現実が見える。国際標準を意識して「らしさ」を失わなければいいが、そんなふうに話が続いた。